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數度
以て千太郎が朝歸りの
折柄新吉原土手にて其方
行逢見るに忍びず
異見を爲すこと
數度に及び千太郎
面目無さに
逃んと爲すを其方
取押へるはずみに
咽喉の
呼吸を
其方儀
平常身持宜からず
數度夫を
持不貞の行ひありしのみならず森田屋銀五郎方の大恩を
忘れ病人を捨置
欠落致し其上我か
甥傳吉より七十五兩の大金を
遣したる
信義を
忘れ憑司と
密通致し傳吉を
ミハイル、アウエリヤヌヰチは
一人して
元氣可く、
朝から
晩迄町を
遊び
歩き、
舊友を
尋ね
廻り、
宿には
數度も
歸らぬ
夜が
有つた
位。