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窄
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つぼ
ふりがな文庫
“
窄
(
つぼ
)” の例文
佐佐木氏は、
三十一文字
(
みそひともじ
)
の講釈と、ビスケツトを食べるために、
母親
(
おふくろ
)
が態々産みつけたらしい口もとを
窄
(
つぼ
)
めて言つた。夏目博士はにやりとした。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
おつたは
濕
(
しめ
)
つた
手拭
(
てぬぐひ
)
を
幾
(
いく
)
つかに
折
(
を
)
つて
手
(
て
)
に
攫
(
つか
)
んだ
儘
(
まゝ
)
、
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
の
側
(
そば
)
に
置
(
お
)
いた
洋傘
(
かうもり
)
を
窄
(
つぼ
)
めてゆつくりと
家
(
うち
)
へ
這入
(
はひ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼は帆布で縫いぐるみにされて、火床の鉄棒を二本
錘
(
おもり
)
に入れられる。帆布に縫い込まれた彼は、人参か大根のように見える。頭の方が拡がって、足の方が
窄
(
つぼ
)
まっている。
グーセフ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
そこで
窄
(
つぼ
)
めて、
逆上
(
のぼせ
)
るばかりの
日射
(
ひざし
)
を
除
(
よ
)
けつつ、
袖屏風
(
そでびょうぶ
)
するごとく、
怪
(
あやし
)
いと見た羽目の方へ、
袱紗
(
ふくさ
)
づつみを頬にかざして、
徐
(
しずか
)
に通る褄はずれ、
末濃
(
すそご
)
に藤の咲くかと見えつつ。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
口を
窄
(
つぼ
)
めて火を吹いている、
生
(
は
)
え
際
(
ぎわ
)
の詰ったお増の
老
(
ふ
)
けた顔を横から眺めながら、お庄は毎日弁当を持って図書館へ通っていた芳村の低い音声や、物優しい蒼い顔を想い出していた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
紀久子はパラソルを
窄
(
つぼ
)
めながら言った。
恐怖城
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
と、べそを掻くやうな声で訴へてゐたが、それでも
談話
(
はなし
)
が済むと今不足を言つたばかしの口を、鼠のやうに
窄
(
つぼ
)
めて、
美味
(
うま
)
さうに味噌汁を
啜
(
すゝ
)
つてゐたといふ事だ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
目立たぬ
黒絣
(
くろがすり
)
の
単衣
(
ひとえ
)
のうえに、小柄な浅山のインバネスなどを着込んで、半分
窄
(
つぼ
)
めた男持ちの
蝙蝠傘
(
こうもりがさ
)
に顔を隠し、裾を
端折
(
はしょ
)
って出て行くお庄のとぼけた姿を見て、
従姉
(
あね
)
は腹を抱えて笑った。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
博士は杏でも食べたやうに急に口を
窄
(
つぼ
)
めた。そして
其辺
(
そこら
)
に聞えないやうに一段と声を低めた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
見なれると、この女の
窄
(
つぼ
)
まった額の出ていることなどが目についた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
光政は二三日
前
(
ぜん
)
鷹狩に出掛けた折、
途
(
みち
)
で食つた
蜜柑
(
みかん
)
の事を思ひ出した。光政は
繍眼児
(
めじろ
)
のやうに口を
窄
(
つぼ
)
めて、立続けに三つばかし食つたやうに思つた。蜜柑は三つとも
甘味
(
うま
)
かつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
早稲田大学で国文学の講義をしてゐる人に五十嵐
力
(
ちから
)
氏がある。初めて京都へ来てみて、加茂川が自分の想像と大層違つてゐるのを見て、女のやうな上品な口を
窄
(
つぼ
)
めて変な顔をしてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
窄
漢検準1級
部首:⽳
10画
“窄”を含む語句
身窄
見窄
上窄
窄袴
狭窄
狭窄衣
食道狭窄
窄迫
窄融
窄胸術
窄口
窄々
狭窄症
引窄
外窄
圧窄
半窄袴
入窄門図
偏窄