“九谷”の読み方と例文
読み方割合
くたに100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その下は押入れになっている。煖炉があるのに、枕元まくらもと真鍮しんちゅうの火鉢を置いて、湯沸かしが掛けてある。そのそば九谷くたに焼の煎茶せんちゃ道具が置いてある。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
或日室生は遊びに行つた僕に、上品に赤い唐艸からくさの寂びた九谷くたにの鉢を一つくれた。それから熱心にこんなことを云つた。
野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
まもなく、とんだ具足を入れた鎧櫃と、ついでに、妻恋坂の殿様お買い上げの九谷くたにの花瓶を積んだ小手車が、久七の手で閑山の店から引き出された。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)