づけ)” の例文
予往年大英博物館で、この蛙アルコールづけを見しに、その蹼他の蛙輩のよりすぐれて大なるのみ、決して図で見るほどおおきになかった。
「そんなふうに自己陶酔とうすいおちいるようでは、今日は最悪の日だったね。アルコールづけになって生きている動物はないよ。はっはっはっはっ。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
で、軍医はこつそり羊の心の臓を切り取つて、それを酒精アルコールづけにして銀の壺に密封したまゝ、棺のなかに納めたのださうだ。
「生きながらすぐに打ちこむひしこづけ」「むくの実落ちる屋根くさるなり」なども全く同様な例である。こういう重複はもちろん歓迎されないものである。
連句雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
お神が窓からほうりこんでくれたお菓子を妹たちにけ、自分ははなづけの気仙沼の烏賊いかをさいて、父と茶漬を食べている銀子に、母が訊くのであった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「半分は捨てたんぢやないか、この吐月峯はいふきが奈良づけ臭いところを見ると、俺は妙なことに氣が付いたんだ」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
あたしは、アルコールづけ標本壜ひょうほんびんの並ぶたなの間をすりぬけて、ズンズン奥へ入っていった。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
たのしみは小豆あずきの飯のひえたるを茶づけてふ物になしてくふ時
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
茄子なすの百一づけ 秋 第二百七十一 茄子の性質
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
玉子たまごのハハソづけ 夏 第百四 味自慢
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)