“凄慘”の読み方と例文
新字:凄惨
読み方割合
せいさん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さう言ふうちにも、西陽の射し入る青葉の寮の座敷牢のあたりに、揉み合ふ男女の影が、渦卷く煙をすかして、凄慘せいさんに展開してゐるではありませんか。
悲慘ひさんなのもあれば、ふねのがれた御殿女中ごてんぢよちうが、三十幾人さんじふいくにん帆柱ほばしらさきからけて、振袖ふりそでつまも、ほのほとともに三百石積さんびやくこくづみけまはりながら、みづあかつたと凄慘せいさんなのもある。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
疾風しつぷうちかられをしつけて、周圍しうゐ喬木けうぼくこずゑへだてゝ白晝はくちうちからひかりうばはうとしてるので、そらつてえるのはとほいやうでちかいやうで一しゆ凄慘せいさんふくんだけぶりである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)