凄慘せいさん)” の例文
新字:凄惨
さう言ふうちにも、西陽の射し入る青葉の寮の座敷牢のあたりに、揉み合ふ男女の影が、渦卷く煙をすかして、凄慘せいさんに展開してゐるではありませんか。
悲慘ひさんなのもあれば、ふねのがれた御殿女中ごてんぢよちうが、三十幾人さんじふいくにん帆柱ほばしらさきからけて、振袖ふりそでつまも、ほのほとともに三百石積さんびやくこくづみけまはりながら、みづあかつたと凄慘せいさんなのもある。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
疾風しつぷうちかられをしつけて、周圍しうゐ喬木けうぼくこずゑへだてゝ白晝はくちうちからひかりうばはうとしてるので、そらつてえるのはとほいやうでちかいやうで一しゆ凄慘せいさんふくんだけぶりである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そのからだ全體から、何とも言へない凄慘せいさんな氣が發散した。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
凄慘せいさんな血の笑ひが頬にこびり付いて、そのまゝ死の色が上へ刷かれて行くのです。四邊は次第に暗くなりました。
お此の死骸は凄慘せいさんを極めました。