いた)” の例文
新字:
否、それに忍從にんじうし、それに屈伏くつぷくして、いたましき二重の生活を續けて行く外に此の世に生きる方法を有たないではないか。
歌のいろ/\ (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
幽靈いうれいのやうにほそしろふたかさねてまくらのもとに投出なげいだし、浴衣ゆかたむねすこしあらはにりて、めたるぢりめんのおびあげのけておびよりおちかゝるもなまめかしからでいたましのさまなり。
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
黒斑くろふひずみていたましく鮮明あざやかにこそされたれ。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
ますにわたかぜさだかにきこえぬさて追手おつてにもあらざりけりおたか支度したく調とゝのひしか取亂とりみださんはのちまでのはぢなるべし心靜こゝろしづかにといましめることばふるひぬいたましゝ可惜あたら青年せいねんはなといはゞつぼみえだいまおこらん夜半よは狂風きやうふう
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)