“陰慘”の読み方と例文
新字:陰惨
読み方割合
いんさん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
眼の前の光景の陰慘いんさんさに、畏怖ゐふする前に、私は、私の過去の思ひ出が、激しく湧き出て來るのを抑へなければならなかつた。
店の中は、ムツとするやうな陰慘いんさんさ、この重つ苦しい空氣を一と口呼吸しただけで、人間は妙に罪惡的になるのではあるまいかと思ふやうです。
彼等かれらみな、この曇天どんてんしすくめられたかとおもほどそろつてせいひくかつた。さうしてまたこのまちはづれの陰慘いんさんたる風物ふうぶつおなじやうないろ著物きものてゐた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)