“迸出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほうしゅつ31.3%
へいしゅつ18.8%
ほとばし18.8%
へいしゆつ12.5%
はしりだ6.3%
ほとばしりで6.3%
ほんしゅつ6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の結論の茫漠ぼうばくとして、彼の鼻孔から迸出ほうしゅつする朝日の煙のごとく、捕捉ほそくしがたきは、彼の議論における唯一の特色として記憶すべき事実である。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
俺とても、心から陶を愛していたのだが、未熟な性情が迸出へいしゅつを阻んでいたのに過ぎない。今ならばと言ったッて、陶はもう死んでしまった。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そこから迸出ほとばしる血が、黒ければ黒いほど気持がよくて、毒々しければ毒々しいほど愉快なのだ。だから探偵小説の読者は皆善人なのだ。
探偵小説の正体 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
二箇ふたつの径五寸ばかりの管は大空に向つて烈しい音を立てながら、盛んに迸出へいしゆつして居るのを認めた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
そこからは智的な熱情が、まるで羚羊かもしかのようなすばしこさで迸出はしりだしてくるのだけれども、それにはまた、彼女の精神世界の中にうずくまっているらしい、異様に病的な光もあった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
れた人間離にんげんばなれのした嗄声しゃがれごえ咽喉のどいて迸出ほとばしりでたが、応ずる者なし。大きな声が夜の空をつんざいて四方へ響渡ったのみで、四下あたりはまたひッそとなって了った。
私達が着くと間もなく、扉船とせんの上部海水注入孔のバルブが開いて、真ッ白に泡立った海水が、おそろしいうなりを立てて船渠ドックの中へ迸出ほんしゅつし始めた。
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)