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迸出
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ほうしゅつ
ふりがな文庫
“
迸出
(
ほうしゅつ
)” の例文
彼の結論の
茫漠
(
ぼうばく
)
として、彼の鼻孔から
迸出
(
ほうしゅつ
)
する朝日の煙のごとく、
捕捉
(
ほそく
)
しがたきは、彼の議論における唯一の特色として記憶すべき事実である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
近松は、あれほど沢山の浄瑠璃を書かざるを得なかった程、義理人情の枠を突破する現実の人間性の
迸出
(
ほうしゅつ
)
を当時の社会にあって感覚したのである。
「迷いの末は」:横光氏の「厨房日記」について
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
いや一人はいる。
宗純
(
そうじゅん
)
和尚(一休)がそれだ。あの人の風狂には、何か胸にわだかまっているものが
迸出
(
ほうしゅつ
)
を求めて
身悶
(
みもだ
)
えしているといった
趣
(
おもむき
)
がある。気の毒な老人だ。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
叢林
(
そうりん
)
は大地を肉体として、そこから
迸出
(
ほうしゅつ
)
する鮮血である。くれない極まって
緑礬
(
りょくばん
)
の輝きを
閃
(
ひらめ
)
かしている。物の表は
永劫
(
えいごう
)
の真昼に白み
亘
(
わた
)
り、物陰は
常闇世界
(
とこやみせかい
)
の
烏羽玉
(
うばたま
)
いろを
鏤
(
ちりば
)
めている。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
いや一人はゐる。
宗純
(
そうじゅん
)
和尚(一休)がそれだ。あの人の風狂には、何か胸にわだかまつてゐるものが
迸出
(
ほうしゅつ
)
を求めて
身悶
(
みもだ
)
えしてゐるといつた
趣
(
おもむき
)
がある。気の毒な老人だ。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
迸
漢検1級
部首:⾡
10画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“迸”で始まる語句
迸
迸発
迸水
迸沫
迸溢
迸血
迸裂