迸出へいしゆつ)” の例文
二箇ふたつの径五寸ばかりの管は大空に向つて烈しい音を立てながら、盛んに迸出へいしゆつして居るのを認めた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
自分の前には川にけてある方の管が蛇ののたくつたやうにわだかまつて、其中を今しも水が烈しい力で通つて行くと覚しく、針のやうな隙間から、しう/\と音して烈しく余流が迸出へいしゆつして居る。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
捨てたものほど強いものはない。かう昔から言はれてゐるが、捨てなければ、滅しなければ、または滅をしつかりとその根柢に所有して居なければ、本当の積極的主観は迸出へいしゆつして来ないものである。
生滅の心理 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
やがて火光に向つて一道の水が烈しく迸出へいしゆつしたのを自分は認めた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)