“上座”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かみざ41.9%
じょうざ41.9%
じやうざ6.5%
かみくら6.5%
しょうざ3.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
シャガレた声で上座かみざから、こう叫んだ向う鉢巻の禿頭はげあたまは、悠々と杯を置いて手をあげると、真っ先きに立った桃の刺青を制し止めた。
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
上座かみざに坐ると勿体もったいらしく神社の方を向いて柏手かしわでを打って黙拝をしてから、居合わせてる者らには半分も解らないような事をしたり顔にいい聞かした。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
やがてようやく、鍋が煮たち、膳拵ぜんごしらえが出来るころに、上座かみざにすわって、箸を取るのは、一体誰じゃ。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
他ならぬそれは紋十郎で、彼は上座かみざ胡座あぐらを掻き、さっきからいかにも不機嫌そうに、ジロジロ座中をめ廻わしていたが、とうとうこの時怒鳴り出したのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
蝋色鞘ろいろざや茶柄ちゃつかの刀を右の手に下げたまゝに、亭主に構わずずっと通り上座かみざに座す。
欣弥、不器用にあわただしく座蒲団ざぶとんを直して、下座しもざに来り、無理に白糸を上座じょうざに直し、膝を正し、きちんと手をつく。
錦染滝白糸:――其一幕―― (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし、間もなくその紋太夫は、主君綱条つなえだして、これへ見えた。——わが子ながら綱条は当主である、老公は席を分けて、上座じょうざを与えた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
笑いながら押し合ったりみ合ったりしているうちに、謙譲している男が、引きられて上座じょうざに据えられるのもある。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
上座じょうざは師匠の紫暁しぎょうで、次が中洲の大将、それから小川の旦那と順を追って右が殿方、左が婦人方とわかれている。
老年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
いろり附近まわりに四人の男女が控えてた。男は怪量を上座じょうざしょうじてから四人をり返った。
轆轤首 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そのうち上座じやうざざう食事しよくじそなへていて、自分じぶんつて一しよにべてゐるのを見付みつけられましたさうでございます。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
見ると床の間の上座じやうざには作者の月郊君が坐つてゐる。
ひろはれてまゐつてから三ねんほどちましたとき食堂しよくだう上座じやうざざうかうげたり、燈明とうみやうげたり、そのほかそなへものをさせたりいたしましたさうでございます。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
下女が三人前の膳を持出もちだし、二人分をやや上座かみくらえ、残りの膳をその男の前へなおした、男も不思議に思い、一人の客に三人前の膳を出すのは如何どういう訳だと聞くと
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
すらりと飯櫃形いびつなりの猿ヶ馬場ばんばに、吹溜ふきたまった落葉を敷いて、閑々と静まりかえった、うもれ井戸には桔梗ききょうが咲き、すすき女郎花おみなえしが交ったは、薄彩色うすさいしきしとねのようで、上座かみくらに猿丸太夫、眷属けんぞくずらりと居流れ、連歌でもしそうな模様じゃ。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
父のために家の中を片付けたり、父と一緒に馬に乗ったり、父が宴会を催す時には食卓の上座しょうざに坐ったり、父の話相手になったり、父に本を読んであげたり、——そんなことを覚えるためだったら、よろこんで英国へ行こう、とセエラは思いました。