上座かみくら)” の例文
おぼえてるものぞ松澤まつざは若大將わかたいしやうたゝへられてせき上座かみくらまうけられしれすらみすぼらしき此服裝このなりよしやおもておぼえがればとて他人たにん空肖そらに
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すらりと飯櫃形いびつなりの猿ヶ馬場ばんばに、吹溜ふきたまった落葉を敷いて、閑々と静まりかえった、うもれ井戸には桔梗ききょうが咲き、すすき女郎花おみなえしが交ったは、薄彩色うすさいしきしとねのようで、上座かみくらに猿丸太夫、眷属けんぞくずらりと居流れ
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
下女が三人前の膳を持出もちだし、二人分をやや上座かみくらえ、残りの膳をその男の前へなおした、男も不思議に思い、一人の客に三人前の膳を出すのは如何どういう訳だと聞くと、下女はいぶかしげに三人のお客様ゆえ
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)