“いね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
37.9%
25.9%
15.5%
5.2%
3.4%
3.4%
以年1.7%
宿1.7%
寝宿1.7%
1.7%
率寝1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
翌日日暮れに停車場へ急ぐとちゅうで、自分はいねを拾ってる、そぼろなひとりの老婆ろうばを見かけた。見るとどうも新兵衛の女房らしい。
落穂 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
源叔父はこのさま見るや、眠くば寝よとやさしくいい、みずから床敷きて布団ふとんかけてやりなどす。紀州のいねし後、翁は一人炉の前に坐り、眼を閉じて動かず。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
よるになると方々ほう/″\あるまはつて、たけのこ松茸まつたけいもいね大豆等だいずなど農作物のうさくぶつをあらしたり、ひ、野鼠のねずみうさぎなどもとらへて餌食ゑじきにします。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
妾が血をいて熱をなすものは何ぞ。妾を病ましむるものは何ぞ。妾はめて何をか思へる。妾はいねて何をか夢みたる。おん身の愛憐のみ。おん身の接吻のみ。アントニオよ。
おほかたに遊び足りたり夜ふけたり子らよいねなむまた明日もあらむ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
で何かの会合で知合に出会でつくはすと、鼻先を見る前に(実業家といふものは、いねと同じで、鼻先さへ見ればその日の機嫌がわかるものだ)先づ頭髪あたまへ気をつける。
大阪の新町に稽古場を持っている「さく以年いね」と云う人であること、それやこれやで、こいさんはこのところ毎日新町へ稽古に通うやら、帰って来ると私に地を弾かしてもう一度おさらいをするやら
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
かこち昨夜ゆうべ四日市よつかいちへんなる三人の若い者此處こゝ妓樓あそびやそれ遊興あがりて夜をふか宿いねるに間もなく夜はしらみたりと若い者に起され今朝けさしもぶつ/\とつぶやきながら妓樓あそびや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ゆふされば小倉をぐらやま鹿しか今夜こよひかず寝宿いねにけらしも 〔巻八・一五一一〕 舒明天皇
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「どこのいねなの?」
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
いつも妻をもとめて鳴いている鹿が、妻を得た心持であるが、結句は、必ずしも率寝いねの意味に取らなくともいい。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)