いね)” の例文
新字:
丁度そこを捕へたから言ひ譯が立たないのさ。だが、あの百兵衞といふ男は良い男さ。おいねむこに世話をしようと思ふがどうだらう
よるになると方々ほう/″\あるまはつて、たけのこ松茸まつたけいもいね大豆等だいずなど農作物のうさくぶつをあらしたり、ひ、野鼠のねずみうさぎなどもとらへて餌食ゑじきにします。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
いねたばかつぐんだつて、わしくちしちやはねえが、ちやんとつてんでがすから、さうつちやなんだが其麽そんなことするもなあ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
おのれが得意と一ツにし一手にてあきなひせし故なり然るに又上州じやうしうの吉三郎ならびに母のおいね兩人は利兵衞が江戸えどへ店を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いことね、此の間もいねちゃんだの小しめさんも来てね、噂たら/″\さ、心掛けのい人というものは、まア誠に妙なものだ、美代ちゃんのくらい運のいゝ人は無い
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いなごひるかへる蜥蜴とかげごどきは、もつとよろこびてしよくするものとす。す(おう)よ、ねがはくはせめて糞汁ふんじふすゝることをめよ。もしこれ味噌汁みそしる洒落しやれもちゐらるゝにいたらば、十萬石まんごくいねおそらく立處たちどころれむ。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たねくにも、いねるにも態々わざ/\こよみいだしてせつるにおよばず。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
木曾きそ燒米やきごめといふものはあをいやわらかいいね香氣にほひがします。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
いねなか
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
其處そこにはまたれもはるのやうなだまされて、とうからかなくつてかへるがふわりといてはこそつぱいいねつかまりながらげら/\といた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
今か/\とたのしみ居たれどあん相違さうゐして其後一かう手紙てがみも來らず此方このはうよりは度々たび/\文通ぶんつうすれども一度の返事へんじもなきにより今は吉三郎の母のおいねも大に立腹りつぷくをつと茂兵衞が臨終りんじう那程迄あれほどまでに頼みしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それはいねはな模擬なぞらつたので、いねはなが一ぱいひらやうとの縁起えんぎであつた。かね博勞ばくらうれをきふ土間どまりてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)