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稲
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いね
ふりがな文庫
“
稲
(
いね
)” の例文
旧字:
稻
解
(
わか
)
つた、
松葉屋
(
まつばや
)
のお
稲
(
いね
)
の
妹
(
いもうと
)
の
金次
(
きんじ
)
が
待合
(
まちあひ
)
を出したと聞きましたが。乙「
未
(
ま
)
だ
僕
(
ぼく
)
は
家見舞
(
いへみまひ
)
に
行
(
いか
)
ず、
年玉
(
としだま
)
の
義理
(
ぎり
)
をかけてさ。甲「
好
(
よ
)
し/\。 ...
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
翌日日暮れに停車場へ急ぐとちゅうで、自分は
落
(
お
)
ち
稲
(
いね
)
を拾ってる、そぼろなひとりの
老婆
(
ろうば
)
を見かけた。見るとどうも新兵衛の女房らしい。
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
くろへ
腰掛
(
こしか
)
けてこぼこぼはっていく
温
(
あたたか
)
い水へ足を入れていてついとろっとしたらなんだかぼくが
稲
(
いね
)
になったような気がした。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
息をころして怪物を見つめていた見物席が、
稲
(
いね
)
のほが風にふかれるように、波だちはじめました。みんなが席を立って逃げだそうとしたからです。
サーカスの怪人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
山畠
(
やまはたけ
)
にかけがへのない
稲
(
いね
)
が
腐
(
くさ
)
つては、
餓死
(
うゑじに
)
でござりまする、
総領
(
さうりやう
)
の
私
(
わし
)
は一
番
(
ばん
)
の
働手
(
はたらきて
)
、かうしては
居
(
を
)
られませぬから、と
辞
(
ことわり
)
をいつて、やれ
泣
(
な
)
くでねえぞ
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
そして、すずめたちは、かがしを
侮
(
あなど
)
って、
稲
(
いね
)
を
荒
(
あ
)
らしましたが、ある
日
(
ひ
)
、おじいさんの
息子
(
むすこ
)
の
打
(
う
)
った、ほんとうの
鉄砲
(
てっぽう
)
で、みんな
殺
(
ころ
)
されてしまいました。
からすとかがし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
然
(
しか
)
しまた
田圃
(
たんぼ
)
づたひに歩いて
行
(
ゆ
)
く
中
(
うち
)
水田
(
みづた
)
のところ/″\に
蓮
(
はす
)
の花の見事に咲き乱れたさまを
眺
(
なが
)
め
青々
(
あを/\
)
した
稲
(
いね
)
の葉に
夕風
(
ゆふかぜ
)
のそよぐ
響
(
ひゞき
)
をきけば、さすがは
宗匠
(
そうしやう
)
だけに
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
古川
(
ふるかわ
)
の持っている
田圃
(
たんぼ
)
の
井戸
(
いど
)
を
埋
(
う
)
めて
尻
(
しり
)
を持ち込まれた事もある。太い
孟宗
(
もうそう
)
の節を抜いて、深く埋めた中から水が
湧
(
わ
)
き出て、そこいらの
稲
(
いね
)
にみずがかかる
仕掛
(
しかけ
)
であった。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
稲
(
いね
)
は大よそこの月の末までに刈揚げるが、それを掛け乾しニオに積んで、やがて到来すべき
新嘗
(
にいなめ
)
の日を待っているのが、楽しいしかも至って厳粛な、心の準備の期間であった。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
こゝを以て
家居
(
いへゐ
)
の
造
(
つく
)
りはさら也、
万事
(
よろづのこと
)
雪を
禦
(
ふせ
)
ぐを
専
(
もつはら
)
とし、
財
(
ざい
)
を
費
(
つひやし
)
力
(
ちから
)
を
尽
(
つく
)
す事
紙筆
(
しひつ
)
に
記
(
しる
)
しがたし。
農家
(
のうか
)
はことさら夏の初より秋の末までに五
穀
(
こく
)
をも
収
(
をさむ
)
るゆゑ、雪中に
稲
(
いね
)
を
刈
(
かる
)
事あり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
稲
(
いね
)
舂
(
つ
)
けば
皹
(
かが
)
る
我
(
あ
)
が
手
(
て
)
を
今宵
(
こよひ
)
もか
殿
(
との
)
の
稚子
(
わくご
)
が
取
(
と
)
りて
嘆
(
なげ
)
かむ 〔巻十四・三四五九〕 東歌
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
そうですとも、もう地上では
稲
(
いね
)
を植えるわけにはいかないし、お
芋
(
いも
)
やきゅうりやなすをつくることもできないです。そんなものをつくっていても、いつ空から恐ろしいばい菌や毒物を
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
宵
(
よい
)
から人知れず台所へ手伝いに見えていた千秋の娘のお
稲
(
いね
)
にちがいない——と。
日本名婦伝:小野寺十内の妻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「すずめよ、
毎年
(
まいねん
)
これから
稲
(
いね
)
の
初穂
(
はつほ
)
をつむことを
許
(
ゆる
)
してやるぞ。」
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
刈
(
か
)
り
稲
(
いね
)
を積んだ車が晴れた野の道に音を立てて通った。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
「お
稲
(
いね
)
さ」
暗がりの乙松
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
耕地整理
(
こうちせいり
)
になっているところがやっぱり
旱害
(
かんがい
)
で
稲
(
いね
)
は
殆
(
ほと
)
んど
仕付
(
しつ
)
からなかったらしく赤いみじかい
雑草
(
ざっそう
)
が
生
(
は
)
えておまけに一ぱいにひびわれていた。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
また、
来年
(
らいねん
)
、
稲
(
いね
)
の
実
(
みの
)
るころになると、
太吉
(
たきち
)
じいさんは、
新
(
あたら
)
しいかがしを
造
(
つく
)
りました。
去年
(
きょねん
)
の
子鳥
(
ことり
)
たちはもう
親鳥
(
おやどり
)
となって、
同
(
おな
)
じように、その
子供
(
こども
)
たちに
向
(
む
)
かって
からすとかがし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
家内を見れば
稿筵
(
わらむしろ
)
のちぎれたるをしきならべ(
稲
(
いね
)
麦
(
むぎ
)
のできぬ所ゆゑわらにとぼしく、いづれのいへもふるきむしろ也)
納戸
(
なんど
)
も
戸棚
(
とだな
)
もなし、たゞ
菅縄
(
すげなは
)
にてつくりたる
棚
(
たな
)
あるのみ也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そうですとも。もう地上では
稲
(
いね
)
を植えるわけにはいかないし、お芋やきゅうりやなすをつくることもできないです。そんなものをつくっていても、いつ空から恐ろしいばい
菌
(
きん
)
や毒物を
三十年後の東京
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
父親
(
てゝおや
)
の
医者
(
いしや
)
といふのは、
頬骨
(
ほゝぼね
)
のとがつた
髯
(
ひげ
)
の
生
(
は
)
へた、
見得坊
(
みえばう
)
で
傲慢
(
がうまん
)
、
其癖
(
そのくせ
)
でもぢや、
勿論
(
もちろん
)
田舎
(
ゐなか
)
には
苅入
(
かりいれ
)
の
時
(
とき
)
よく
稲
(
いね
)
の
穂
(
ほ
)
が
目
(
め
)
に
入
(
はい
)
ると、それから
煩
(
わづ
)
らう、
脂目
(
やにめ
)
、
赤目
(
あかめ
)
、
流行目
(
はやりめ
)
が
多
(
おほ
)
いから
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「お、お
稲
(
いね
)
様か。……若旦那はそこのお
書斎
(
しょさい
)
にいらっしゃいますよ」
日本名婦伝:小野寺十内の妻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると父がまたしばらくだまっていたがとにかくもいちど
相談
(
そうだん
)
するからと云ってあとはいろいろ
稲
(
いね
)
の
種類
(
しゅるい
)
のことだのふだんきかないようなことまでぼくにきいた。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
父親
(
てておや
)
の医者というのは、
頬骨
(
ほおぼね
)
のとがった
髯
(
ひげ
)
の生えた、
見得坊
(
みえぼう
)
で
傲慢
(
ごうまん
)
、その
癖
(
くせ
)
でもじゃ、もちろん
田舎
(
いなか
)
には
刈入
(
かりいれ
)
の時よく
稲
(
いね
)
の
穂
(
ほ
)
が目に入ると、それから
煩
(
わずら
)
う、
脂目
(
やにめ
)
、
赤目
(
あかめ
)
、
流行目
(
はやりめ
)
が多いから
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「はい、わがまま者で、
稲
(
いね
)
と申します」
八寒道中
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
道の左には地図にある通りの細い
沖積地
(
ちゅうせきち
)
が
青金
(
あおがね
)
の
鉱山
(
こうざん
)
を通って来る川に
沿
(
そ
)
って青くけむった
稲
(
いね
)
を
載
(
の
)
せて北へ
続
(
つづ
)
いていた。山の上では
薄明穹
(
はくめいきゅう
)
の
頂
(
いただき
)
が水色に光った。
俄
(
にわ
)
かに斉田が立ちどまった。
泉ある家
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
稲
(
いね
)
の
穂波
(
ほなみ
)
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それがら、
稲
(
いね
)
も
倒
(
たお
)
さな。」
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
“稲(イネ)”の解説
イネ(稲、稻、禾)は、イネ科イネ属の植物。属名Oryza は古代ギリシア語由来のラテン語で「米」または「イネ」を意味する。種小名 sativa は「栽培されている」といった意味である。収穫物は米と呼ばれ、トウモロコシやコムギ(小麦)とともに世界三大穀物の一つとなっている。稲禾(とうか)、禾稲(かとう)などとも呼ばれる。
(出典:Wikipedia)
稲
常用漢字
中学
部首:⽲
14画
“稲”を含む語句
稲架
稲生
稲扱
稲荷
稲妻
早稲田
早稲
稲光
稲田
晩稲
陸稲
掛稲
稲荷町
稲塚
稲穂
稲束
稲毛
葛飾早稲
真崎稲荷
稲積
...