“晩稲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おくて90.0%
ばんとう10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三十俵つけ一まちにまとまった田に一草の晩稲おくてを作ってある。一株一握りにならないほど大株に肥えてる。穂の重みで一つらに中伏ちゅうぶしに伏している。
隣の嫁 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
寒くならないうちに晩稲おくて収穫しゅうかくをすましてしまいたい、蕎麦そばも取ってしまいたい、麦もいてしまいたい。百姓はこう思ってみな一生懸命に働いた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
さるいしの渓谷は土えてよくひらけたり。路傍に石塔の多きこと諸国その比を知らず。高処より展望すれば早稲わせまさに熟し晩稲ばんとう花盛はなざかりにて水はことごとく落ちて川にあり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)