“おくて”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
晩稲56.3%
晩稻18.8%
奥手6.3%
晩成6.3%
晩手6.3%
晩種6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寒くならないうちに晩稲おくて収穫しゅうかくをすましてしまいたい、蕎麦そばも取ってしまいたい、麦もいてしまいたい。百姓はこう思ってみな一生懸命に働いた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
根岸田甫に晩稻おくてかりほす頃、あのあたりに森江しづと呼ぶ女あるじの家を、うさんらしき乞食小僧の目にかけつゝ、怪しげなる素振あるよし、婢女ども氣味わるがりて咡き合ひしが
琴の音 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その前年の不作は町方一同のたくわえに響いて来ている。田にある稲穂も奥手おくての分はおおかた実らない。凶作の評判は早くも村民の間に立ち始めた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「おじさまは何でも一生かかってなさる事はしているわね、お庭、やきもの、お仕事、みんな晩成おくてなのね。」
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
夏の夜は蚊が多かった。蒲団扇かばうちわを動かして槐樹の下に坐り、茂り葉の隙間から、あの一つ一つの青空を見ていると、晩手おくて槐蚕やままゆがいつもひいやりの頸首えりくびの上に落ちる。
「吶喊」原序 (新字新仮名) / 魯迅(著)
同 (晩種おくて) 九一・五〇 〇・九〇 〇・一〇 六・〇〇 〇・八〇 〇・七〇
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)