“ばんせい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
万世22.2%
蛮声22.2%
晩霽11.1%
蠻聲11.1%
万政5.6%
万星5.6%
晩成5.6%
晩生5.6%
萬世5.6%
蛮性5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日本の文学はさておき世界中の美文をあつめてもこの上に出ずる句はありますまい。これこそ実に世界的の美文で天下万世ばんせいに誇るべきものです。人の心は誰もかくこそありたけれ。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それはその町のとある空地あきちに、だいテントを張って興業していた、娘曲馬団の客寄せ楽隊で、旧式な田舎いなか音楽が、蛮声ばんせいを張り上げて、かっぽれの曲を、滅多無性めったむしょうに吹き鳴らしているのであった。
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
雀宮ヲ過ルヤ晃峰こうほう乾位けんいニ望ム。突兀とつこつトシテ半空ニそびユ。諸山ソノふもとヲ擁シ扶輿磅礴ふよほうはくタルコトソノ幾十里ナルヲ知ラズ。時ニ晩霽ばんせい。夕陽明媚めいび。山色ことごとク紫ナリ。昏暮こんぼ宇都宮ニ投ズ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ガラツ八は精一杯の蠻聲ばんせいを張り上げてそれを喰ひ留めて居ます。
すると、また、郭淮の一手の大将万政ばんせいが、前にもまさる兵力で追いついてきた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
飛毛ふんぷんとって、そこはさながら、日月じつげつあらそって万星ばんせいうずを巻くありさまである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分はきょう限り、道場から身を退こうと思う。世間からも身を隠す。隠居ではない。山中へ行って、弥五郎入道一刀斎先生の分け入った道の後をたずねる心で、なお、晩成ばんせい大悟たいごを期したい。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この家康の前には、蟹江の小城と、晩生ばんせいあせり気味の一益などが、手も足も出なかったのは当然である。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ば爲可き者と早も見て取り知たれば我思ふよし云々と吉宗よしむねぬしに言上ごんじやうせしに君又英敏えいびん明才めいさいにていよ/\政治せいぢ改良かいりやうして公方くばうの職を萬世ばんせい不朽ふきうに傳へんといふ素志そしなれば今大岡の言るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「いや。この春生れたばかりです。普段は熊が背中へ乗せたりして可愛がっていましたが、何かの拍子に蛮性ばんせいを現したものと見えます。可哀そうなことをしましたよ」
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)