万世ばんせい)” の例文
旧字:萬世
殺人さつじん散財さんざいは一時の禍にして、士風の維持は万世ばんせいの要なり。これをてんしてかれを買う、その功罪相償あいつぐなうやいなや、容易に断定すべき問題にあらざるなり。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
日本の文学はさておき世界中の美文をあつめてもこの上に出ずる句はありますまい。これこそ実に世界的の美文で天下万世ばんせいに誇るべきものです。人の心は誰もかくこそありたけれ。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
入る事浅ければ百年の大家たるべく、入る事深ければ万世ばんせいの大家たるべし。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
一、およそ皇国に生れては、よろしく吾が宇内うだいに尊き所以ゆえんを知るべし。けだし皇朝は万世ばんせい一統いっとうにして、邦国の士夫は禄位を世襲し、人君は民を養い以て祖業をぎ、臣民は君に忠にして以て父志を継ぐ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
一時の兵禍へいかまぬかれしめたると、万世ばんせいの士気をきずつけたると、その功罪相償あいつぐなうべきや。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)