“稲穂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いなぼ60.0%
いなほ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
稲穂いなぼ又は紙にて作りたる金銭、ちゞみあきびとなどはちゞみのひな形を紙にて作り、農家のうかにては木をけづりて鍬鋤すきくはのたぐひ農具のうぐを小さく作りてもちばなの枝にかくる。
線路へ出て、ずっと見ると、一面の浜田がどことなく、ゆさゆさ動いて、稲穂いなぼの分れ伏した処は幾ヶ所ともなしに細流せせらぎ蜘蛛手くもでに走る。二三枚空が映って、田の白いのはかぶったらしい。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夢中むちゅうはらったおれん片袖かたそでは、稲穂いなほのように侍女じじょのこって、もなくつちってゆく白臘はくろうあしが、夕闇ゆうやみなかにほのかにしろかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
大岡家の紋は、稲穂いなほの輪だった。家祖かそが、稲荷の信仰者で、それにちなんだものという。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)