“中稲”の読み方と例文
読み方割合
なかて100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
兄夫婦とお増と外に男一人とは中稲なかての刈残りを是非刈ってしまわねばならぬ。民子は僕を手伝いとして山畑のわたを採ってくることになった。これはもとより母の指図で誰にも異議は云えない。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
福島県たいら附近の例をいうと、正月十一日の農立ての日の朝、今年苗代なわしろにしようと思う田に行って初鍬はつぐわをいれ、三所に餅と神酒みき洗米あらいよねとを供えて、これを早稲わせ中稲なかて晩稲おくての三通りに見立てて置く。
中稲なかても苅らねばならぬ。其内に晩稲おくても苅らねばならぬ。でも、夏の戦闘たたかいに比べては、何を云っても最早しめたものである。朝霜、夜嵐よあらし、昼は長閑のどかな小春日がつゞく。「小春日や田舎に廻る肴売さかなうり」。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)