“稲生”のいろいろな読み方と例文
旧字:稻生
読み方割合
いなふ20.0%
いねな20.0%
いのう20.0%
イナフ20.0%
イネナリ20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
福山藩士に稲生いなふ某と云ふものがあつた。其妻が難産をして榛軒がむかへられた。榛軒は忽ちあわただしく家に還つて、妻志保に「かえの著換を皆出せ」と命じ、これを大袱おほぶろしきつゝんで随ひ来つた僕にわたした。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ただ稲荷は保食神うけもちのかみの腹中に稲生いねなりしよりの「いなり」で、御饌津神みけつかみであるその御饌津より「けつね」即ち狐が持出されたまでで、大黒だいこく様(太名牟遅神おおなむちのかみ)に鼠よりも縁は遠い話である。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
八、怪談物(四谷怪談、稲生いのう武太夫、鍋島猫騒動)
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
祇園の神人であつた摂津今宮村の神は「広田」である事は前に述べた。三輪の神人なる奄芸の里人の斎いた稲生イナフの古社も、三輪明神には、関係がない様である。
信太妻の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
稲荷は「稲生イネナリ」の義にして、神代紀に保食ウケモチ神の腹中に稲を生ず、とあるに依て明なり。然るに後の書に素盞嗚尊スサノオの子、宇賀之御魂ウカノミタマ神、亦の名は専名三狐神ミケツカミとあり。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)