“稲束”のいろいろな読み方と例文
旧字:稻束
読み方割合
いなたば80.0%
いねたば20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
前へ立ったのは、みのを着て、竹の子笠をかぶっていました。……端折った片褄かたづま友染ゆうぜんが、わらすそに優しくこぼれる、稲束いなたばの根に嫁菜が咲いたといった形。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
健吉は、稲束いなたばを投げ棄てゝ急いで行って見ると、番をしていた藤二は、独楽の緒を片手に握ったまま、暗い牛屋の中に倒れている。頸がねじれて、頭が血に染っている。
二銭銅貨 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
竹を割ってとがらせたものを何本かくしの歯のように一列に並べ、稲束いねたばを平たくしてその櫛の歯の間を通すので、是では「く」ではなくして「く」のであるが、私などの生まれた中国方面では
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)