“国勝手”の読み方と例文
読み方割合
くにがって100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この頃国勝手くにがっての議に同意していた人々のうち、津軽家の継嗣問題のために罪を獲たものがあって、かの議を唱えた抽斎らは肩身の狭いおもいをした。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
先年諸大名の家族が江戸屋敷から解放されて国勝手くにがっての命令が出たおりに、日比谷にある長州の上屋敷では表奥おもておくの諸殿を取り払ったから、打ち壊されたのは四方の長屋のみであった。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
この年弘前藩では江戸定府じょうふを引き上げて、郷国に帰らしむることに決した。抽斎らの国勝手くにがっての議が、この時に及んでわずかに行われたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)