“こゝろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
49.4%
15.8%
9.7%
5.4%
3.5%
精神2.3%
1.5%
心臟1.5%
情緒0.8%
思慮0.8%
意志0.8%
性質0.4%
0.4%
心中0.4%
心地0.4%
心情0.4%
心意0.4%
心気0.4%
心裡0.4%
0.4%
情實0.4%
気質0.4%
0.4%
熱情0.4%
眞心0.4%
神氣0.4%
神経0.4%
0.4%
胸裡0.4%
腦裡0.4%
良心0.4%
赤心0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
らうこゝろをつけて物事ものごとるに、さながらこひこゝろをうばゝれて空虚うつろなりひとごとく、お美尾みを美尾みをべばなにえとこたゆることばちからなさ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そして、撮影法さつえいほうにも、現像法げんぞうほうにも、無論むろんせい裝置そうちにも改善かいぜんくはへてさらに何まいかをこゝろみたが、あゝ、それは何といふ狂喜けうきだつたか?
さてまたわれらの情は、たゞ聖靈のこゝろかなふものにのみもやさるゝが故に、その立つる秩序によりてとゝのへらるゝことを悦ぶ 五二—五四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
こゝろを結びことばを束ねて、歌とも成らば成して見ん、おゝそれよ、さま/″\に花咲きたりと見し野辺のおなじ色にも霜がれにけり。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
いな女の斯う云ふ態度の方が、却つて男性の断然たる所置よりも、同情の弾力性を示してゐる点に於て、こゝろよいものと考へてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ふるへるやうな冷い風に吹かれて、寒威さむさ抵抗てむかひする力が全身に満ちあふれると同時に、丑松はまた精神こゝろ内部なかの方でもすこし勇気を回復した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
賤「はい困りますねえ、旦那が亡なりまして私は小遣こづかいも何もないのですが、沢山の事は出来ませんが、ほんこゝろばかりで誠に少しばかりでございますが」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
次にそのほかの點でも、假令たとへあなたが男性の活溌な頭腦あたまを持つてゐるとしても、あなたの心臟こゝろは女性ですよ、だから——それでは駄目です。
形容と情緒こゝろのうら若さ。平和と幸福のうら若さ。
偏奇館吟草 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
己が母の乳を棄て、思慮こゝろなく、うかれつゝ、好みて自ら己と戰ふこひつじのごとく爲すなかれ。 八二—八四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
彼女あれ諾否いなや肝腎かんじん吾等われら意志こゝろ添物そへものむすめうけひうへ吾等われら承諾しょうだくその取捨しゅしゃほかにはませぬ。
跡に殘るは天地の間に生れ出でしまゝの我身瀧口時頼、いのちとともに受繼うけつぎし濶達くわつたつ氣風きふう再び欄漫らんまんと咲き出でて、かたちこそ變れ、性質こゝろは戀せぬ前の瀧口に少しもたがはず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
顧みれば瀧口、性質こゝろにもあらで形容邊幅けいようへんぷくに心をなやめたりしも戀の爲なりき。仁王にわうともくまんず六尺の丈夫ますらをからだのみか心さへ衰へて、めゝしき哀れに弓矢の恥を忘れしも戀の爲なりき。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
すべて謝肉祭に連りたるたのしみをば、つゆのこさずしてこゝろみんと誓ひたればなり。
ぬかしながら見れば見るほどうつくしきお光はいとゞおもはゆげのかたち此方こなた心中こゝろときめきいはんとしては口籠くちごもる究りのわるきをかくさんと思へば立てはこうちよりあたらしきほん種々いろ/\取り出し之を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
初め兩親にかたるもいとゞ面伏おもぶせと思ふばかりに言も出さず心地こゝろあししと打伏しがさうとはれてはつゝむに由なし實は今日音羽までゆきたる時に箇樣々々かやう/\かはやへ入んと七丁目の鹽煎餠屋しほせんべいやと炭團屋の裏へ這入て用を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
血のつながりで、この娘が一番よく、伊八の生活や心情こゝろを知り拔いて居たやうにも思へるのです。
武家ぶけに在ては國家の柱石ちうせき商家しやうかで申さば白鼠しろねずみなる番頭久八は頃日このごろ千太郎の容子ようす不審いぶかししと心意こゝろ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「なんの、長二」と伯母は白き頭振りつ「身体からだは使ふだけ健康ぢやうぶだがの、お前などのは、心気こゝろを痛めるので、大毒だよ——今ではお前も健康の様だが、生れが何せ、脆弱よわたちで、 ...
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
勘次かんじ内儀かみさんの心裡こゝろ伏在ふくざいして何物なにものかをもとめるやうな態度たいどでいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
弱点を持っている者に、罪をなすりつけようとこゝろがけている者があるのだ。彼は、それを思って恐ろしくなった。
(新字新仮名) / 黒島伝治(著)
お辰いよ/\眞面目に、弟子は子もおなじなれば我が身も可愛きあのおの爲、早くらちのあかせましたけれど、それは一筋、お前さまのお情實こゝろも汲まぬでは御座ござんせぬ
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たとへば聊か気質こゝろかたよりのある人の、年を積み道に進みて心さまきよく正しくなれるが如し。遠く望むも好し、近く視るも好し。花とのみ云はんや、師とすべきなり。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
取扱ひさせる事は些少ちと無念ぶねんなるべし此以後は隨分ずゐぶんこゝろ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
希望けもう熱情こゝろろふ
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ロミオ わし眞心こゝろ眞實しんじつしたふ……
わが師かく古の淑女騎士の名を告ぐるをきける時、我は憐みにとらはれ、わが神氣こゝろ絶えいるばかりになりぬ 七〇—七二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
およそ青鼠頭魚は物音を嫌ひ、物影の揺ぐをも好まざるまで神経こゝろはやきものなれば、船にて釣ることも無きにはあらねど、「きゃたつ」に騎りて唯一人静かに綸を下すを常の事とす。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ライプニツツが樂調の美を知るを無意識中の算術といひしもおなじ談理の境なり、若し美のこゝろを碎いて理に入るダス、ロオギツシエことあらずは、審美學は起らざるべし。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
忽然たちまち樣々さま/″\妄想まうぞう胸裡こゝろわだかまつてた、今日こんにちまでは左程さほどまでにはこゝろめなかつた、こく怪談くわいだん
以上いじやうで、敬愛けいあいする讀者どくしや諸君しよくん髣髴ほうふつとして、このてい構造かうざうそのおどろくべき戰鬪力せんとうりよくについて、ある想像さうざう腦裡こゝろえがかれたであらう。
『東京にて、猪子蓮太郎先生、瀬川丑松より』としたゝめ終つた時は、深く/\良心こゝろいつはるやうな気がした。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
爲しつゞ現在げんざい弟の千太郎の事を思ひて紙屑かみくづかふと迄に零落おちぶれても眞の人に成んと思ひ赤心こゝろの誤よりもいきの根の止たを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
若い刺青師のこゝろは墨汁の中に溶けて、皮膚ににじんだ。焼酎に交ぜて刺り込む琉球朱の一滴々々は、彼の命のしたゝりであった。彼は其処に我が魂の色を見た。
刺青 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)