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心
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こゝろ
ふりがな文庫
“
心
(
こゝろ
)” の例文
四谷
(
よつや
)
の
通
(
とほ
)
りへ
食料
(
しよくれう
)
を
探
(
さが
)
しに
出
(
で
)
て、
煮染屋
(
にしめや
)
を
見
(
み
)
つけて、
崩
(
くづ
)
れた
瓦
(
かはら
)
、
壁泥
(
かべどろ
)
の
堆
(
うづたか
)
いのを
踏
(
ふ
)
んで
飛込
(
とびこ
)
んだが、
心
(
こゝろ
)
あての
昆布
(
こぶ
)
の
佃煮
(
つくだに
)
は
影
(
かげ
)
もない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
心
(
こゝろ
)
をつけて
物事
(
ものごと
)
を
見
(
み
)
るに、さながら
戀
(
こひ
)
に
心
(
こゝろ
)
をうばゝれて
空虚
(
うつろ
)
に
成
(
なり
)
し
人
(
ひと
)
の
如
(
ごと
)
く、お
美尾
(
みを
)
お
美尾
(
みを
)
と
呼
(
よ
)
べば
何
(
なに
)
えと
答
(
こた
)
ゆる
詞
(
ことば
)
の
力
(
ちから
)
なさ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
次
(
つぎ
)
の
日
(
ひ
)
の
夕
(
ゆふべ
)
。
道子
(
みちこ
)
はいつよりも
少
(
すこ
)
し
早目
(
はやめ
)
に
稼
(
かせ
)
ぎ
場
(
ば
)
の
吾妻橋
(
あづまばし
)
へ
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
くと、
毎夜
(
まいよ
)
の
顔馴染
(
かほなじみ
)
に、
心
(
こゝろ
)
やすくなつてゐる
仲間
(
なかま
)
の
女達
(
をんなたち
)
の
一人
(
ひとり
)
が
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
這麼老朽
(
こんならうきう
)
な
體
(
からだ
)
は
死
(
し
)
んでも
可
(
い
)
い
時分
(
じぶん
)
だ、とさう
思
(
おも
)
ふと、
忽
(
たちま
)
ち
又
(
また
)
何
(
なん
)
やら
心
(
こゝろ
)
の
底
(
そこ
)
で
聲
(
こゑ
)
がする、
氣遣
(
きづか
)
ふな、
死
(
し
)
ぬ
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
いと
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
るやうな。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
いかにもねばり
強
(
づよ
)
い、あきらめにくい
悲
(
かな
)
しみの
心
(
こゝろ
)
が、ものゝ
纏
(
まと
)
ひついたように、くね/\した
調子
(
ちようし
)
の
現
(
あらは
)
れてゐるのが
感
(
かん
)
じられませう。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
もし
右
(
みぎ
)
のような
火
(
ひ
)
の
性質
(
せいしつ
)
を
心得
(
こゝろえ
)
てゐると、
心
(
こゝろ
)
の
落着
(
おちつき
)
も
出來
(
でき
)
るため、
危急
(
ききゆう
)
の
場合
(
ばあひ
)
、
機宜
(
きゞ
)
に
適
(
てき
)
する
處置
(
しよち
)
も
出來
(
でき
)
るようにもなるものである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
ロレ いや、
其
(
その
)
語
(
ことば
)
の
鋭鋒
(
きっさき
)
を
防
(
ふせ
)
ぐ
甲胄
(
よろひ
)
を
與
(
おま
)
さう。
逆境
(
ぎゃくきゃう
)
の
甘
(
あま
)
い
乳
(
ちゝ
)
ぢゃと
謂
(
い
)
ふ
哲學
(
てつがく
)
こそは
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
の
慰
(
なぐさ
)
め
草
(
ぐさ
)
ぢゃ、よしや
追放
(
つゐはう
)
の
身
(
み
)
とならうと。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
見るに
衣裳
(
なり
)
は
見苦
(
みぐる
)
しけれども色白くして
人品
(
ひとがら
)
能く
鄙
(
ひな
)
に
稀
(
まれ
)
なる美男なれば
心
(
こゝろ
)
嬉敷
(
うれしく
)
閨
(
ねや
)
に
伴
(
ともな
)
ひつゝ終に
新枕
(
にひまくら
)
を
交
(
かは
)
せし故是より吉三郎もお菊を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
君
(
きみ
)
ばかりでない、
僕
(
ぼく
)
の
朋友
(
ほういう
)
の
中
(
うち
)
、
何人
(
なんぴと
)
も
未
(
いま
)
だ
此名
(
このな
)
が
如何
(
いか
)
に
僕
(
ぼく
)
の
心
(
こゝろ
)
に
深
(
ふか
)
い、
優
(
やさ
)
しい、
穩
(
おだや
)
かな
響
(
ひゞき
)
を
傳
(
つた
)
へるかの
消息
(
せうそく
)
を
知
(
し
)
らないのである。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
天
(
てん
)
にでもいゝ、
地
(
ち
)
にでもいゝ、
縋
(
すが
)
らうとする
心
(
こゝろ
)
、
祈
(
いの
)
らうとする
希
(
ねが
)
ひが、
不純
(
ふじゆん
)
な
沙
(
すな
)
を
透
(
とほ
)
して
清
(
きよ
)
くとろ/\と
彼女
(
かのぢよ
)
の
胸
(
むね
)
に
流
(
なが
)
れ
出
(
で
)
て
來
(
き
)
た。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
それで
其
(
そ
)
の一
町
(
ちやう
)
四
方
(
はう
)
は
晝間
(
ひるま
)
も
戸
(
と
)
を
締
(
し
)
めたといふほど、ひどい
臭氣
(
しうき
)
が、
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
の
腐
(
くさ
)
つた
人間
(
にんげん
)
の
心
(
こゝろ
)
のやうに、
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれて
飛
(
と
)
び
散
(
ち
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
『それも
駄目
(
だめ
)
だ』と
心
(
こゝろ
)
秘
(
ひそ
)
かに
思
(
おも
)
つてる
中
(
うち
)
、
愛
(
あい
)
ちやんは
兎
(
うさぎ
)
が
窓
(
まど
)
の
下
(
した
)
へ
來
(
き
)
たのを
知
(
し
)
り、
急
(
きふ
)
に
片手
(
かたて
)
を
伸
(
の
)
ばして
只
(
たゞ
)
當
(
あて
)
もなく
空
(
くう
)
を
掴
(
つか
)
みました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
代助は
心
(
こゝろ
)
のうちに、あるひは三千代が又
一人
(
ひとり
)
で返事を
聞
(
き
)
きに
来
(
く
)
る事もあるだらうと、
実
(
じつ
)
は
心待
(
こゝろまち
)
に待つてゐたのだが、其甲斐はなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一
緒
(
しよ
)
に
飯
(
めし
)
なぞ
食
(
た
)
べると、
彼
(
かれ
)
はいつでも
心
(
こゝろ
)
の
空虚
(
くうきよ
)
を
訴
(
うつた
)
へるやうな
調子
(
てうし
)
でありながら、さう
言
(
い
)
つて
寂
(
さび
)
しい
顔
(
かほ
)
に
興奮
(
こうふん
)
の
色
(
いろ
)
を
浮
(
うか
)
べてゐた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
それで、
時々
(
とき/″\
)
お手
紙
(
がみ
)
やお
歌
(
うた
)
をお
送
(
おく
)
りになると、それにはいち/\お
返事
(
へんじ
)
をさし
上
(
あ
)
げますので、やう/\お
心
(
こゝろ
)
を
慰
(
なぐさ
)
めておいでになりました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
ハテ、
妙
(
めう
)
な
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ふ
女
(
をんな
)
だと
私
(
わたくし
)
は
眉
(
まゆ
)
を
顰
(
ひそ
)
めたが、よく
見
(
み
)
ると、
老女
(
らうぢよ
)
は、
何事
(
なにごと
)
にか
痛
(
いた
)
く
心
(
こゝろ
)
を
惱
(
なや
)
まして
居
(
を
)
る
樣子
(
やうす
)
なので、
私
(
わたくし
)
は
逆
(
さか
)
らはない
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
然
(
しか
)
し
其
(
その
)
最
(
もつと
)
も
恐
(
おそ
)
れを
懷
(
いだ
)
くべき
金錢
(
きんせん
)
の
問題
(
もんだい
)
が
其
(
その
)
心
(
こゝろ
)
を
抑制
(
よくせい
)
するには
勘次
(
かんじ
)
は
餘
(
あま
)
りに
慌
(
あわ
)
てゝ
且
(
かつ
)
驚
(
おどろ
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
醫者
(
いしや
)
は
鬼怒川
(
きぬがは
)
を
越
(
こ
)
えて
東
(
ひがし
)
に
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
正しい藝術を、みんなの
心
(
こゝろ
)
の
糧
(
かて
)
のたしに——
心
(
こゝろ
)
の
糧
(
かて
)
といふほどにならずとも、せめて
肥
(
こや
)
しぐらゐにでもなるやうに——それが望ましいのだ。
むぐらの吐息
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
都
(
すべ
)
て
人
(
ひと
)
たる
者
(
もの
)
は
常
(
つね
)
に
物事
(
ものごと
)
に
心
(
こゝろ
)
を
留
(
とゞ
)
め、
世
(
よ
)
に
新
(
あた
)
らしき
事
(
こと
)
の
起
(
おこ
)
ることあらば、
何故
(
なにゆゑ
)
ありて
斯
(
かゝ
)
る
事
(
こと
)
の
出來
(
でき
)
しやと、よく
其本
(
そのもと
)
を
詮索
(
せんさく
)
せざるべからず。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そんな
事
(
こと
)
を、あまり
熱心
(
ねつしん
)
に、そして
感傷的
(
かんしやうてき
)
に
話
(
はな
)
し
合
(
あ
)
つたのちは、
二人
(
ふたり
)
とも
過去
(
くわこ
)
の
山
(
やま
)
や
川
(
かは
)
にその
心
(
こゝろ
)
を
吸
(
す
)
いとられたやうに、ぽかんとしてゐた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
本人
(
ほんにん
)
に
自營獨立
(
じえいどくりつ
)
の
心
(
こゝろ
)
さへ
定
(
さだま
)
つて
居
(
を
)
れば、どんな
塲所
(
ばしよ
)
へ
出
(
だ
)
しても、
又
(
また
)
どんな
境遇
(
きやうぐう
)
に
處
(
しよ
)
しても
差支
(
さしつかへ
)
なく、
變通自在
(
へんつうじざい
)
でありませう。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
余
(
よ
)
の一
家
(
か
)
は
悉
(
こと/″\
)
く
涙含
(
なみだぐ
)
んだ。
此
(
この
)
優
(
やさ
)
しい
少女
(
せうぢよ
)
。
境遇
(
きやうぐう
)
が
變
(
かは
)
つて
居
(
ゐ
)
たのと、
天候
(
てんかう
)
が
曇
(
くも
)
り
勝
(
がち
)
なのとで、一
層
(
そう
)
我々
(
われ/\
)
は
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
の
優
(
やさ
)
しさが
感
(
かん
)
じられたのであらう。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
猶
(
なほ
)
此後
(
こののち
)
もこれに
盡
(
つく
)
さんの
料
(
れう
)
にせまほしとておのれに
其
(
その
)
よしはし
書
(
かき
)
してよとこはれぬかゝる
方
(
かた
)
に
心
(
こゝろ
)
ふかうものし
給
(
たま
)
へるを
うもれ木:01 序
(旧字旧仮名)
/
田辺竜子
(著)
何
(
なん
)
が
故
(
ゆへ
)
に
極
(
きは
)
めて
正直
(
せうじき
)
なる
心
(
こゝろ
)
を
以
(
もつ
)
て、
極
(
きは
)
めて
愛情
(
あいじよう
)
にひかさるべき
性情
(
せいじよう
)
を
以
(
も
)
て
而
(
しか
)
して
母
(
はゝ
)
と
妹
(
いもと
)
の
愛情
(
あいじよう
)
を
冷笑
(
れいしよう
)
するに
至
(
いた
)
りしや
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
淫慾
(
いんよく
)
も
財慾
(
ざいよく
)
も
慾
(
よく
)
はいづれも身を
亡
(
ほろぼ
)
すの
香餌
(
うまきゑさ
)
也。
至善
(
よき
)
人は路に千金を
視
(
み
)
、
室
(
いへ
)
に
美人
(
びじん
)
と
対
(
たい
)
すれども
心
(
こゝろ
)
妄
(
みだり
)
に
動
(
うごか
)
ざるは、
止
(
とゞま
)
ることを
知
(
し
)
りて
定
(
さだま
)
る事あるゆゑ也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「お
父樣
(
とうさま
)
、しばらくお
暇
(
いとま
)
が
戴
(
いただき
)
きたうございます」とおそるおそる
父
(
ちゝ
)
の
前
(
まへ
)
にでて、お
願
(
ねが
)
ひしました。そして
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
では、どうか
聽容
(
きゝい
)
れてくれるといいが。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
第十
常居
(
ゐま
)
は
濕氣
(
しめりけ
)
少
(
すくな
)
く
日當
(
ひあた
)
りよくして
風
(
かぜ
)
の
透
(
とほ
)
る
樣
(
やう
)
に
心
(
こゝろ
)
を
用
(
もち
)
ふ
可
(
べ
)
し。一ヶ
年
(
ねん
)
一兩度
(
いちりやうど
)
は
必
(
かなら
)
ず
天井
(
てんじやう
)
また
椽
(
えん
)
の
下
(
した
)
の
塵
(
ちり
)
を
拂
(
はら
)
ひ、
寢所
(
ねどころ
)
は
高
(
たか
)
く
燥
(
かわ
)
きたる
方
(
はう
)
を
擇
(
えら
)
ぶべき
事
(
こと
)
。
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
『平民の娘』お
房
(
ふさ
)
は、
單
(
たん
)
にモデルとして彼の
眼
(
め
)
に
映
(
うつ
)
ツてゐるのでは
無
(
な
)
い。お房は彼の眼よりも
心
(
こゝろ
)
に
能
(
よ
)
く映ツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
この
爺
(
ぢい
)
やの
大
(
おほ
)
きな
手
(
て
)
は
寒
(
さむ
)
くなると、
皸
(
あかぎれ
)
が
切
(
き
)
れて、まるで
膏藥
(
かうやく
)
だらけのザラ/\とした
手
(
て
)
をして
居
(
ゐ
)
ましたが、でもその
心
(
こゝろ
)
は
正直
(
しやうぢき
)
な、そして
優
(
やさ
)
しい
老人
(
らうじん
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
〔譯〕
周子
(
しうし
)
靜
(
せい
)
を
主
(
しゆ
)
とす、
心
(
こゝろ
)
本體
(
ほんたい
)
を守るを謂ふなり。
※説
(
づせつ
)
に、「
欲
(
よく
)
無し故に
靜
(
せい
)
」と
自註
(
じちゆう
)
す、
程伯氏
(
ていはくし
)
此
(
これ
)
に因つて天
理
(
り
)
人
欲
(
よく
)
の
説
(
せつ
)
有り。
叔子
(
しゆくし
)
敬
(
けい
)
を
持
(
ぢ
)
する
工夫
(
くふう
)
も亦
此
(
こゝ
)
に在り。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
「でも、人の命を助けたことなんか、
心
(
こゝろ
)
の
隅
(
すみ
)
つこに、しまひ忘れる筈はないぢやありませんか」
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
文学者
(
ぶんがくしや
)
を以て
大
(
だい
)
のンきなり
大
(
だい
)
気楽
(
きらく
)
なり
大
(
だい
)
阿呆
(
あはう
)
なりといふ事の
当否
(
たうひ
)
は
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
眼
(
め
)
ばかりパチクリさして
心
(
こゝろ
)
は
藻脱
(
もぬけ
)
の
売
(
から
)
となれる
木乃伊
(
ミイラ
)
文学者
(
ぶんがくしや
)
は
豈
(
あ
)
に是れ
人間
(
にんげん
)
の
精粋
(
きつすゐ
)
にあらずや。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
二人
(
ふたり
)
の
者
(
もの
)
他
(
た
)
に
於
(
おい
)
て
心
(
こゝろ
)
を
合
(
あ
)
はせ
何事
(
なにごと
)
にも
求
(
もと
)
めば
天
(
てん
)
に
在
(
いま
)
す
我父
(
わがちゝ
)
は
彼等
(
かれら
)
のためにこれを
為
(
な
)
し
給
(
たま
)
ふべし。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その髮の毛が、一本ずゝ
拔
(
ぬ
)
けるのに從つて下人の
心
(
こゝろ
)
からは、恐怖が少しづつ消えて行つた。さうして、それと
同時
(
どうじ
)
に、この老婆に對するはげしい
憎惡
(
ぞうを
)
が、少しづゝ動いて來た。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
横笛愈〻
心
(
こゝろ
)
惑
(
まど
)
ひて、人の哀れを
二重
(
ふたへ
)
に包みながら、浮世の義理の
柵
(
しがらみ
)
に
何方
(
いづかた
)
へも一言の
應
(
いら
)
へだにせず、無情と見ん人の恨みを思ひやれば、身の
心苦
(
こゝろぐる
)
しきも數ならず、夜半の夢
屡〻
(
しば/\
)
駭きて
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
一方筑摩家に於いては、輝勝一人を除く外政高の死の真相を知っていた者はないのであるから、淡路守の胸中を疑う筈はなく、家中
一統
(
いっとう
)
心
(
こゝろ
)
から今度の和睦と祝言とを喜んだに違いない。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
彼れが秘密を見現すは今なり、と余は思切ッて同行せざるの遺憾を
述
(
のぶ
)
るに「
爾
(
そう
)
さ、なに構うものか、来るなら一緒にお
出
(
いで
)
なさい、随分面白いかも知れませぬから」
斯
(
か
)
く聞きて余は嬉しさに
心
(
こゝろ
)
迫
(
せ
)
き
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
風体
(
ふうてい
)
によりて
夫々
(
それ/″\
)
の身の上を
推測
(
おしはか
)
るに、
例
(
れい
)
の
織
(
お
)
るが
如
(
ごと
)
くなれば
心
(
こゝろ
)
甚
(
はなは
)
だ
忙
(
いそが
)
はしけれど
南無
(
なむ
)
や
大慈
(
たいじ
)
大悲
(
たいひ
)
のこれ
程
(
ほど
)
なる
消遣
(
なぐさみ
)
のありとは
覚
(
おぼ
)
えず
無縁
(
むえん
)
も
有縁
(
うえん
)
の物語を作り
得
(
え
)
て
独
(
ひと
)
り
窃
(
ひそか
)
にほゝゑまれたる事に
候
(
そろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
では、そんな
事
(
こと
)
をしてゐる
寒山
(
かんざん
)
、
拾得
(
じつとく
)
が
文殊
(
もんじゆ
)
、
普賢
(
ふげん
)
なら、
虎
(
とら
)
に
騎
(
の
)
つた
豐干
(
ぶかん
)
はなんだらうなどと、
田舍者
(
いなかもの
)
が
芝居
(
しばゐ
)
を
見
(
み
)
て、どの
役
(
やく
)
がどの
俳優
(
はいいう
)
かと
思
(
おも
)
ひ
惑
(
まど
)
ふ
時
(
とき
)
のやうな
氣分
(
きぶん
)
になつてゐるのである。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
男
(
をとこ
)
もさすがに
少
(
すこ
)
し
心
(
こゝろ
)
を
動
(
うご
)
かされたけれども、まだどうあつても
結婚
(
けつこん
)
などの
出來
(
でき
)
る
樣
(
やう
)
な
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
でないので、
仕樣
(
しやう
)
がないから
葉書
(
はがき
)
を
取
(
と
)
りツぱなしで、
打
(
う
)
つちやらかしておいた。
所
(
ところ
)
が
葉書
(
はがき
)
は
矢
(
や
)
つぱり
來
(
く
)
る。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
なぜといふに、
自分
(
じぶん
)
は
主
(
しゆ
)
の
君
(
きみ
)
を
思
(
おも
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
ると、
其聖墓
(
そのおはか
)
が
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
にもう
入
(
はい
)
つてゐるからだ。
亜孟
(
アメン
)
。どれ、
日射
(
ひあたり
)
のいゝ
此処
(
ここ
)
へでも
寝転
(
ねころ
)
ばうか。これこそ
聖地
(
せいち
)
だ。われらが
御主
(
おんおるじ
)
の
御足
(
みあし
)
は
何処
(
どこ
)
をも
聖
(
きよ
)
くなされた。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
なんともいへない
無邪氣
(
むじやき
)
な
顏
(
かほ
)
つきや
樣子
(
ようす
)
をしてゐるところなど、いかにも
昔
(
むかし
)
の
人
(
ひと
)
の
飾
(
かざ
)
り
氣
(
け
)
のない
心
(
こゝろ
)
が
窺
(
うかゞ
)
はれるばかりでなく、
當時
(
とうじ
)
の
人
(
ひと
)
の
風俗
(
ふうぞく
)
だとか
服裝
(
ふくそう
)
なども、これによつて
知
(
し
)
ることが
出來
(
でき
)
ますから
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
有
(
あ
)
りがたや
心
(
こゝろ
)
の
雲
(
くも
)
もはれわたりうきよの
雲
(
くも
)
はとにもかくにも
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
過ぎにしも過ぎせぬ過ぎしひと時に、
劫
(
ごふ
)
の「
心
(
こゝろ
)
」の
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
色音
(
いろね
)
は
絶
(
た
)
えつ、——
醉
(
ゑ
)
ひざまの
心
(
こゝろ
)
あがりに
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
らむ
心地
(
こゝち
)
して、
此時
(
このとき
)
なりと
心
(
こゝろ
)
ばかりは
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
深
(
ふか
)
みの
心
(
こゝろ
)
——おもむろに
瀞
(
とろ
)
みて濁る
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
心
(
こゝろ
)
のほのほ
消
(
き
)
えぬ
間
(
ま
)
に
ゴンドラの唄
(旧字旧仮名)
/
吉井勇
(著)
いとゞし
心
(
こゝろ
)
痛
(
いた
)
むかな
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
賢
(
さか
)
しき
心
(
こゝろ
)
、
清
(
きよ
)
き
形
(
なり
)
花枕
(旧字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
“心”の解説
心(こころ)は、非常に多義的・抽象的な概念であり文脈に応じて多様な意味をもつ言葉であり、人間(や生き物)の精神的な作用や、それのもとになるものなどを指し、感情、意志、知識、思いやり、情などを含みつつ指している。
(出典:Wikipedia)
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
“心”を含む語句
焦心
中心
心付
心配
心情
心地
心懸
心持
心臓
心中
心得違
心細
心掛
御心
真心
心遣
心附
心象
心底
下心
...