“濶達”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かったつ92.7%
くわつたつ7.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
男は、樺桜かばざくら直垂ひたたれ梨打なしうち烏帽子えぼしをかけて、打ち出しの太刀たち濶達かったついた、三十ばかりの年配で、どうやら酒に酔っているらしい。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そこには枝葉を繁らす樹木もなく濶達かったつな青空もない。すべては発火点に達して、夢中になって狂躁曲を奏しているようにしか見えない。
その頃ようやく四十になつたばかり、家代々の與力ですが、當代の新三郎はわけても濶達くわつたつで聰明で、錢形平次とはよくウマが合つたのです。
銭形平次捕物控:239 群盗 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
跡に殘るは天地の間に生れ出でしまゝの我身瀧口時頼、いのちとともに受繼うけつぎし濶達くわつたつ氣風きふう再び欄漫らんまんと咲き出でて、かたちこそ變れ、性質こゝろは戀せぬ前の瀧口に少しもたがはず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)