“性質(こゝろ)” の例文
跡に殘るは天地の間に生れ出でしまゝの我身瀧口時頼、命(いのち)とともに受繼(うけつ)ぎし濶達(くわつたつ)の氣風(きふう)再び欄漫(らんまん)と咲き出でて、容(かたち)こそ變れ、性質(こゝろ)は戀せぬ前の瀧口に少しも違(たが)はず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
顧みれば瀧口、性質(こゝろ)にもあらで形容邊幅(けいようへんぷく)に心を惱(なや)めたりしも戀の爲なりき。仁王(にわう)とも組(くま)んず六尺の丈夫(ますらを)、體(からだ)のみか心さへ衰へて、めゝしき哀れに弓矢の恥を忘れしも戀の爲なりき。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)