いや)” の例文
侍「拙者は修業の身の上で、好い女だとは思いましたけれど、いやらしい事を云い掛けるなどの念は毛頭ない」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「まあいやらしい! 猥らしいわ、シリオン! そんなことができるもんかしら?」と妻の声であった。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
新「済まないのは知って居るが、たった一度で諦めて是ッ切りいやらしい事は云う気遣きづかいないから」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わしはお前さんに面目ないが、実は命がけで年にも恥じずお前さんに惚れました、それ故に此の間酔った紛れに彼様あんいやらしい事を云かけて、お前さんが腹を立てゝ愛想尽あいそづかしを云うたが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お嬢様は御大家ごたいけ婿取むことり前のひとり娘、わしゃいやしい身の上、たとえいやらしい事はないといっても、男女なんにょ七歳にして席を同じゅうせず、今差向さしむかいで話をしてれば、世間で可笑おかしく思います
惠梅様と云う女房にょうぼが災難で切殺されて、明日あした法事をなさると云う、お寺参りにく身の上じゃア有りませんか、その女房にょうぼうが死んで七日もたぬうちに、わたくし其様そんいやらしい事を言掛けるのは
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
明店あきだなか何かを捜す気に成っている位なものでございますが、萩原新三郎はあのお露どのと更にいやらしい事は致しませんでしたが、実に枕をも並べて一ツ寝でも致したごとく思い詰めましたが
何ぞと云うと命を助けた疵が出来たと恩がましい事を仰しゃっていやらしい、此の間は御酒の機嫌と思いましたが、今の様子のは御酒も飲まずに白面しらふ狂人きちがい、そんな事を仰しゃっては実に困ります
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それがいやなら女郎に売るのと無理難題を申し、まだそれ計りではありません、阿兄あにきと云う者がございますが、私には義理ある兄でございまして、私のような者を捕えいやらしいことを云いかけますが
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)