“彌(いや)” の例文
新字:弥
さうして此後(このご)も大凡(おほよ)そこんな状勢(じやうせい)で進(すゝ)むからして從(したがつ)て少(すくな)くも是迄(これまで)彌(いや)が上(うへ)に殖(ふ)えて來(き)た國債(こくさい)の總額(そうがく)を殖(ふや)さずに濟(す)まし得(う)る次第(しだい)である。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
彌(いや)が上(うへ)に、淺葱(あさぎ)の襟(えり)を引合(ひきあ)はせて、恍惚(うつとり)と成(な)つて、其(そ)の簾(すだれ)を開(あ)けて、キレー水(すゐ)のタラ/\と光(ひか)る君(きみ)、顏(かほ)を中(なか)へ入(い)れると、南無三(なむさん)。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
坦々でなく紆餘曲折端睨すべからざる中に偉人の俤を偲ぶといふ風にするのが眞に是れ偉人を偉人として遇し、讀者の興味を彌(いや)が上にも湧き立たせ
何も彼も忘れ盡して熟睡に陷ちようと努めれば努める程彌(いや)が上にも頭が冴えて、容易に寢つけさうもなかつた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
嬉(うれ)しさ胸(むね)の中(なか)におさへがたく、蔭(かげ)ながら拜(おが)んで居(い)ても宜(よ)いほどの辱(かたじけ)さなれど、つく/″\我(わ)が身(み)の上(うへ)を思(おも)ひまするに、貴郎(あなた)はこれより彌(いや)ます/\の御出世(ごしゆつせ)を遊(あそば)して
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そこか此処(ここ)かと声する方(かた)を辿って行くと、彌(いや)が上にも生い茂れる熊笹や歯朶(しだ)の奥に於て、確(たしか)に人の呻(うめ)くを聞いた。そこらの枝や葉は散々(さんざん)に踏躪(ふみにじ)られて、紅い山椿の蕾(つぼみ)が二三輪落ちていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
白き襞(ひだ)けぶかき雲を彌(いや)が上(へ)に雲は噴(ふ)きあがりまかがやく縁(へり)
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
繰返(くりかへ)して三度(さんど)、また跫音(あしおと)がしたが、其時(そのとき)は枕(まくら)が上(あが)らなかつた。室内(しつない)の空氣(くうき)は唯(たゞ)彌(いや)が上(うへ)に蔽重(おほひかさな)つて、おのづと重量(ぢうりやう)が出來(でき)て壓(おさ)へつけるやうな!
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
中央(ちうあう)及(および)地方(ちはう)を通(つう)じて政府(せいふ)の財政(ざいせい)の整理緊縮(せいりきんしゆく)、國債(こくさい)の整理(せいり)は前述(ぜんじゆつ)の如(ごと)く決行(けつかう)したのであるが、併(しかし)ながら日本(にほん)の經濟(けいざい)の立直(たてなほし)をなし、國際貸借(こくさいたいしやく)の改善(かいぜん)を圖(はか)り、彌(いや)が上(うへ)に低落(ていらく)する爲替相場(かはせさうば)を元(もと)に戻(もど)して
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
黄櫨染(くわうろせん)の大御衣(おほんぞ)明(あか)く照り立たし彌(いや)さやさやに若き大君
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
言(い)はぬが言(い)ふに彌(いや)増(まさ)ると云(い)ふ娘氣(むすめぎ)の優(やさ)しい處(ところ)。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
彌(いや)古りて、大理石(なめいし)はいよよ眞白に
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
彌(いや)古りてかなしみはいよよ新らし
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
彌(いや)古りて彌(いや)清く、いよよかなしく。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
雲蒼し、神(かみ)さぶと彌(いや)とこしへ
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)