“彌造”の読み方と例文
新字:弥造
読み方割合
やざう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ガラツ八の八五郎は薄寒さうに彌造やざうを構へたまゝ、膝小僧で錢形平次の家の木戸を押し開けて、狭い庭先へノソリと立つたのでした。
彌造やざうも拔かずに、敷居際に突つ立つて『お早う』などと顎をしやくる八五郎が、今日は何を考へたか、入口から斯う、世間並の挨拶をして入つて來たのです。
秋が深いにしても、朝の光の中に鬱陶うつたうしく頬冠り、唐棧たうざんを端折つて、左のこぶし彌造やざうをきめた恰好は、どう贔屓目ひいきめに見ても、あまり結構な風俗ではありません。