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忌
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いや
ふりがな文庫
“
忌
(
いや
)” の例文
それでも帯取りの池という
忌
(
いや
)
な伝説が残っているもんですから、誰もそこへ行って
魚
(
さかな
)
を捕る者も無し、泳ぐ者もなかったようでした。
半七捕物帳:08 帯取りの池
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それが今度死んで、しかも突然に死んだものですから、検視が来るなどという騒ぎになって、近所でもいろいろの
忌
(
いや
)
な噂を立てます。
世界怪談名作集:02 貸家
(新字新仮名)
/
エドワード・ジョージ・アール・ブルワー・リットン
(著)
忌
(
いや
)
な顔でもされると己も
往
(
ゆ
)
きにくゝなる、
然
(
そ
)
うすると
遂
(
つい
)
には
主従
(
しゅうじゅう
)
の隔てが出来、
不和
(
ふなか
)
になるから、女房の良いのを貴様に持たせたいのう
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
牢番等の役儀に対しても、番代銀をエタに交付して自身その役に当る事を
忌
(
いや
)
がり、さらに後には全くその賤役から離れる事になったらしい。
エタ源流考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
「もうお願い申すのもこれが最後です。どうぞわたくしにあなたの三枚の切り札の名を教えて下さい。それとも、お
忌
(
いや
)
ですか」
世界怪談名作集:03 スペードの女王
(新字新仮名)
/
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン
(著)
▼ もっと見る
それから彼は、低いけれども
忌
(
いや
)
に落ち着いた声で、自分の寝床の下をいつでも男や女や子供や悪魔の行列が通ると言って、私をぞっとさせた。
世界怪談名作集:12 幻の人力車
(新字新仮名)
/
ラデャード・キプリング
(著)
剛造の太き
眉根
(
まゆね
)
ビクリ動きしが、
温茶
(
ぬるちや
)
と共に
疳癪
(
かんしやく
)
の虫グツと
呑
(
の
)
み込みつ「ぢやア、松島を亭主にすることが
忌
(
いや
)
だと云ふのか」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
畢竟
(
ひっきょう
)
私の安心
決定
(
けつじょう
)
とは申しながら、その実は私の朋友には正直
有為
(
ゆうい
)
の君子が多くて、何事を打任せても間違いなど
云
(
い
)
う
忌
(
いや
)
な心配は
聊
(
いささ
)
かもない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
彼はこのとき初めて老人の顔を間近に見たのであるが、それが男だか女だか分からないような、一種の
忌
(
いや
)
な感じを受けた。
世界怪談名作集:16 鏡中の美女
(新字新仮名)
/
ジョージ・マクドナルド
(著)
また、たとい僕が夢うつつであったとしても、こんなに
忌
(
いや
)
というほどたたきつけられて眼を醒まさないという法はない。
世界怪談名作集:13 上床
(新字新仮名)
/
フランシス・マリオン・クラウフォード
(著)
他
(
ほか
)
の同商売にはそんなことは
無
(
ね
)
えようだが、
廓
(
くるわ
)
中のを、こうやって引受けてる、
私許
(
うち
)
ばかりだから
忌
(
いや
)
じゃあねえか。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ようやく一人前になったばかりの若い人が、〈死〉などということについて考えているのを、聞いているのは
忌
(
いや
)
だ。
世界怪談名作集:09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
嬢様の聟君どころか、
最
(
も
)
う既に社会に落第して居るのだが、
忌
(
いや
)
がられやうが棄てられやうが
一向
(
いつかう
)
係
(
かま
)
はず平気の平左で
面
(
つら
)
の皮を厚くして居るのが恐ろしい。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
自分は、いいとしても、お銀様が、それは
忌
(
いや
)
がるにきまっている。そこで兵馬は
咄嗟
(
とっさ
)
の
間
(
かん
)
にこう言いました。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
忌
(
いや
)
にぶくぶくと水ぶくれがして、その体のうちには腐った水がいっぱいに詰まっているように感じられた。
世界怪談名作集:14 ラザルス
(新字新仮名)
/
レオニード・ニコラーエヴィチ・アンドレーエフ
(著)
もう
忌
(
いや
)
な陰気な商売はやめておしまいなさい。あなたを騎士のうちでもいちばん偉い、みんなの羨望の
的
(
まと
)
になるような人にしてあげます。あなたは私の恋びとです。
世界怪談名作集:05 クラリモンド
(新字新仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
教授が、清く優しいラッパチーニの娘を指して言った言葉の調子が、彼の心に
忌
(
いや
)
な感じをあたえた。
世界怪談名作集:08 ラッパチーニの娘 アウペパンの作から
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
「ホントに
忌
(
いや
)
になつてしまふわ」(八四頁)も同様に眺められる。そのほか、この女は盛んに現代語の甘ったるいところを用いていますが、面倒だから一々は申しません。
中里介山の『大菩薩峠』
(新字新仮名)
/
三田村鳶魚
(著)
そんなわけで、わたしは彼の教えてくれた道をたどるのがまったく
忌
(
いや
)
になってしまった。
世界怪談名作集:06 信号手
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
何か
虫酸
(
むしず
)
がはしるように、生理的な
忌
(
いや
)
らしさをさえ感じた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
竜之助に此の構をとられると、文之丞は
忌
(
いや
)
でも相青眼。
大衆文芸作法
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
なんともいえない
忌
(
いや
)
な心持ちがしますよ。
世界怪談名作集:10 廃宅
(新字新仮名)
/
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン
(著)
ああ、こんなことは
忌
(
いや
)
だ……。
世界怪談名作集:04 妖物
(新字新仮名)
/
アンブローズ・ビアス
(著)
「本当でございます。なんだか
忌
(
いや
)
な噂ばかり続くので、気味が悪くってなりません。ゆうべも化け物屋敷に何かありましたそうで……」
半七捕物帳:60 青山の仇討
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と、柱に
倚掛
(
よりかゝ
)
って碌に弾けやアしませんが、
忌
(
いや
)
アな姿になってポツ/\
端唄
(
はうた
)
の稽古か何かを致して居ります
中
(
うち
)
に、旦那がおいでになります。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ここに至っては真の坊主のみでなく、坊主ならぬただの僧侶達までも、坊主の尊称をもって呼ばれるのを
忌
(
いや
)
がることとなる。
俗法師考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
夫人はようように夜の帽子をかぶって、
寝衣
(
ねまき
)
を着たが、こうした
服装
(
みなり
)
のほうが年相応によく似合うので、彼女はそんなに
忌
(
いや
)
らしくも、
醜
(
みにく
)
くもなくなった。
世界怪談名作集:03 スペードの女王
(新字新仮名)
/
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン
(著)
ことにこんな奴、だんだんに
嫌悪
(
けんお
)
の情の加わってくるこんな人間に、自分の住居を見られるのは
忌
(
いや
)
であった。
世界怪談名作集:16 鏡中の美女
(新字新仮名)
/
ジョージ・マクドナルド
(著)
今だから告白するが、実を言うと、自分の部屋へはいった時はなんとなく
忌
(
いや
)
な感動に胸を
躍
(
おど
)
らせたのである。
世界怪談名作集:13 上床
(新字新仮名)
/
フランシス・マリオン・クラウフォード
(著)
貧乏すれば金を使わない、金が出来れば自分の勝手に使う。人に交わるには出来る
丈
(
だ
)
けの誠を尽して交わる、ソレでも
忌
(
いや
)
と
云
(
い
)
えば交わって
呉
(
く
)
れなくても
宜
(
よろ
)
しい。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
忌
(
いや
)
なら忌で其れも
可
(
よう
)
御座んすサ、只だ其の
言
(
いひ
)
ツ
振
(
ぷり
)
が
癪
(
しやく
)
に
障
(
さは
)
りまさアネ、——ヘン、軍人は
私
(
わたし
)
は
嫌
(
いや
)
です
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
併し色が
生白
(
なまつちら
)
けて眉毛がチヨロけて眼尻が垂れ、
少
(
ちつ
)
と失礼の云分だが
倭
(
やまと
)
文庫の挿絵の
槃特
(
はんどく
)
に何処か
肖
(
に
)
てゐた。第一
忌
(
いや
)
な眼付をして
生緩
(
なまぬる
)
い
吻
(
くち
)
を
利
(
き
)
かれると
慄
(
ぞう
)
つと身震が出る。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
ああ、
忌
(
いや
)
な、こうして、わたしは幾月かするうちに、人様に隠せないようになって、自分を穴の中にでも入れておかない限りは、見る人の
噂
(
うわさ
)
の的となるに相違ありません。
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
まずこれが彼の性格の一面で、また最も
忌
(
いや
)
な点である。私がこれを観察したのも、
畢竟
(
ひっきょう
)
は現在のごとく、彼とわたしとが
日
(
にち
)
にち極めて密接の間柄にあったからにほかならない。
世界怪談名作集:09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
彼女は単調な顔をして、臆病そうに仲直りをしようとしたが、私はもう見るのも
忌
(
いや
)
だった。
世界怪談名作集:12 幻の人力車
(新字新仮名)
/
ラデャード・キプリング
(著)
誰がどう言ったって、家内はもうその家にいるのは
忌
(
いや
)
だという。それも無理はないのだ
世界怪談名作集:02 貸家
(新字新仮名)
/
エドワード・ジョージ・アール・ブルワー・リットン
(著)
「実にどうも
忌
(
いや
)
でしたよ。私はつづけて呼びました。もう見ているのがたまらないので、私は自分の片腕を眼にあてて、片手を最後まで振っていたのですが、やっぱり
駄目
(
だめ
)
でした」
世界怪談名作集:06 信号手
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
しかし、あなたを知ってからは、ほかの人たちは
忌
(
いや
)
になったわ……。ああ、綺麗な腕……。なんという
円
(
まる
)
い、なんという白い腕でしょう。どうしたらこんなに綺麗な青い血管が刺せるでしょう
世界怪談名作集:05 クラリモンド
(新字新仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
「
母様
(
おっかさん
)
は
塩梅
(
あんばい
)
が悪いし、寝ていらっしゃるじゃありませんか、人がね、宵啼をするッて
忌
(
いや
)
がります。
不可
(
いけな
)
いよ、
厭
(
いや
)
だよ、
幾度
(
いくたび
)
言って聞かせるか知れないのに、何故言うことをお聞きでない。」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おつや
忌
(
いや
)
かい。たべないのかい。(これも旅人をみかえる。)この子はやっぱり人みしりをしているんだねえ。じゃあ、もうお寝な。
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
長「そんなら駈出さなければ宜うごぜえやすに、
私
(
わっち
)
も一遍見やしたが、
忌
(
いや
)
な侍で、本当にあんな馬鹿侍は有りゃアしません」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
鍛冶屋を
忌
(
いや
)
がったり、竹細工人を嫌うたりする地方のあるのも、一つはこんな事から来ているのかもしれぬ。
来り人の地位と職業:平民申付候事
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
かの骸骨をみせて
忌
(
いや
)
な心持ちを起こさせないようにするばかりでなく、すべて彼女に不愉快をあたえそうな物は、鏡にうつらない部屋の隅にことごとく移して
世界怪談名作集:16 鏡中の美女
(新字新仮名)
/
ジョージ・マクドナルド
(著)
一体下等社会の者に
附合
(
つきあ
)
うことが
数寄
(
すき
)
で、出入りの百姓町人は
無論
(
むろん
)
、
穢多
(
えった
)
でも乞食でも
颯々
(
さっさつ
)
と近づけて、軽蔑もしなければ
忌
(
いや
)
がりもせず言葉など
至極
(
しごく
)
丁寧でした。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「アヽ、剛さん、——世間からは毒婦と恐れられ、神様からは悪魔と
賤
(
いや
)
しめられて
忌
(
いや
)
な
生涯
(
しやうがい
)
を終らねばならんでせうか——私、此の右手を切つて
棄
(
す
)
てたい様だワ——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
邸
(
やしき
)
へ帰ると、彼女は
忌
(
いや
)
いやながら自分の用をうけたまわりに来た部屋付きの召使いにむかって、着物はわたし一人で脱ぐからといって、
早
(
そう
)
そうにそこを立ち去らせてしまった。
世界怪談名作集:03 スペードの女王
(新字新仮名)
/
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン
(著)
骨から肉が浮び出すほど
忌
(
いや
)
になるわい、つべこべと尋ねられもしないお喋りを、井戸へ投げ込まれてまで喋りつづけている声が、地獄の底から迷うて来たもののように耳に残っている
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかも今の私は自分の考えをすべて書きしるす勇気はほとんどない。他日これらの
忌
(
いや
)
な連想をいっさい振り落としたあかつきに再びこれを読んで、わたしはきっと自分の臆病を笑うであろう。
世界怪談名作集:09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
何もかも
忌
(
いや
)
な夢であった昨夜の事件以来、ロバートは寝床を整える勇気はあるまいと想像していたのであったが、案に相違して寝床はきちんと整頓してあるばかりか、非常に潮くさくはあったが
世界怪談名作集:13 上床
(新字新仮名)
/
フランシス・マリオン・クラウフォード
(著)
お絹も別に
忌
(
いや
)
な顔をしなかったので、お君は引っ返して鰻屋へ断わりに行った。その帰るのを待ちかねて林之助も帰り支度をした。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“忌”の意味
《名詞》
(キ)ある人物が死んだ日。
(キ)喪に服している期間。
(出典:Wiktionary)
“忌(忌み)”の解説
忌み、斎み(いみ)は
神に対して身を清め穢れを避けて慎む事。斎戒。
(転じて)忌み避けるべきこと。禁忌。はばかり。
平安時代以降の用例は大半が2.の意。
(出典:Wikipedia)
忌
常用漢字
中学
部首:⼼
7画
“忌”を含む語句
忌々
忌々敷
可忌
忌憚
物忌
忌明
忌日
嫌忌
忌諱
忌嫌
禁忌
小忌
忌籠
斎忌
忌忌
忌避
猜忌
忌中
忌服
厭忌
...