“端唄”の読み方と例文
読み方割合
はうた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紺と白茶と格子になった炬燵蒲団の上には、端唄はうた本が二三冊ひろげられて頸に鈴をさげた小さな白猫がその側に香箱こうばこをつくっている。
老年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
端唄はうたが現す恋の苦労や浮世のあじきなさも、または浄瑠璃が歌う義理人情のわずらわしさをもまだ経験しない幸福な富裕な町家ちょうかの娘
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
と眉にも頬にもしわを寄せたが、のぞめば段もの端唄はうたといわず、前垂まえだれ掛けで、ほがらかに、またしめやかに、唄って聞かせるお妻なのであった。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)