不好いや)” の例文
不好いやところへいや/\ながらかけてくのかとあやしまるゝばかり不承無承ふしようぶしようにプラツトホームをて、紅帽あかばう案内あんないされてかく茶屋ちやゝはひつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「お倒れなすたつてよろしいぢや御座いませんか。本当に今日は不好いやな御顔色でゐらつしやるから、それがかう消えて了ふやうに、奮発して召上りましよ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
職務しよくむるのはまへにも不好いやであつたが、いまなほそう不好いやたまらぬ、とふのは、ひと何時いつ自分じぶんだまして、かくしにでもそつ賄賂わいろ突込つきこみはぬか、れをうつたへられでもぬか
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
私は金につまつて心中なんぞを為た、と人にわらわれましても、情婦をんなの体を売つたお陰で、やうやう那奴あいつ等は助つてゐるのだ、と一生涯言れますのは不好いやで御座います。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さうしてあたまひやくすりと、桂梅水けいばいすゐとを服用ふくようするやうにとつて、不好いやさうにかしらつて、立歸たちかへぎはに、もう二とはぬ、ひとくる邪魔じやまるにもあたらないからとさうつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
来るたびに何のかのと申しますのを、体好ていよことわるんで御座いますけれど、もううるさく来ちや、一頻ひとつきりなんぞは毎日揚詰あげづめに為れるんで、私はふつふつ不好いやなんで御座います。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
くだらんこと貴方あなたこぼしてなさる。醫者いしや不好いやなら大臣だいじんにでもなつたらいでせう。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)