負傷きず)” の例文
自分もいつか受けた数ヵ所の負傷きずで、——斬った敵方の返り血で、全身あけに染まり、次第に迫る息を調え、だんだん衰える気力を励まし励まし、……
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
左の肩の骨が少しくだけたとかで、手が緩縦ぶらぶらになつてしまつたの、その外紫色のあざだの、蚯蚓腫めめずばれだの、打切ぶつきれたり、擦毀すりこはしたやうな負傷きずは、お前、体一面なのさ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)