“傷負”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ておい65.5%
てお34.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もう意識を失いかけて、昏倒こんとうしていた傷負ておいの若い浪人は、兵庫のことばと、手燭の明りに、又びくびくと全身の肉を痙攣ふるわせて
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こう仰せられまして、火にあたれ、肌着をせ、薬はいかに、かゆを喰べよと、傷負ておいには馬まで下されて、放たれたのでござります
日本名婦伝:大楠公夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこここには、明智衆の傷負ておいと、織田衆の傷負いと、枕をならべておるが、もうこの垣の内では、互いに、斬り結ぼうともしておらん。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かぶさってくるその傷負ておいを蹴ほどいて、一歩敷居に足をかけ、栄三郎、血のしたたる剛刀をやみに青眼……無言の気合いを腹底からふるいおこして。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)