“傷痍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょうい40.0%
きず40.0%
しやうい20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……それから不埓ふらちにも傷痍しょうい軍人になりすまして、茜と二人でほうぼう逃げ廻りました。やって見ると、思いがけなく困難な仕事でしたが、私たちは元気をなくしませんでした。
キャラコさん:03 蘆と木笛 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
涙に泣き濡れたかの女の顔には、死ばかりか、心の傷痍きずをも救つて呉れた男に対する感謝の色がはつきりと上つて来てゐた。頭上では松の音が微かに鳴つた。
波の音 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
我は天性怯懦けふだにして、強盗殺人の罪を犯すべき猛勇なし、豆大の昆虫をそこなふても我心には重き傷痍しやういを受けたらんと思ふなるに、法律の手をして我を縛せしむる如きは
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)