“てお”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手負33.3%
傷負27.8%
手落13.9%
手織11.1%
負傷11.1%
痍負2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(桂は頼家の仮面を持ちて顔には髪をふりかけ、直垂ひたたれを着て長巻を持ち、手負ておいの体にて走り出で、門口に来たりて倒る。)
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
かぶさってくるその傷負ておいを蹴ほどいて、一歩敷居に足をかけ、栄三郎、血のしたたる剛刀をやみに青眼……無言の気合いを腹底からふるいおこして。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
いや、それはわしの手落ておちじゃった。おまえの耳ばかりへは、経文きょうもんを書くのをわすれたのじゃ。これはあいすまぬ。が、できたことはしかたがない。このうえは、早くきずをなおすことじゃ。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
「こりゃ手織ておりね。こんない着物は今まで縫った事がないわ。その代り縫いにくいのよそりゃあ。まるで針が立たないんですもの。おかげで針を二本折りましたわ」
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
負傷ておひしけものも猶そのつのを敵に向くる如く。
妄動 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
アヌンチヤタが痍負ておひたるベルナルドオにおしまざりし接吻は、今おもふも猶胸焦がる。サツフオオの美はアヌンチヤタに似て、その戀情の苦は我に似たり。波濤はこの可憐なる佳人を覆ひをはんぬ。