負傷てきず)” の例文
と、思った瞬間に、太股のあたりをぎ払われて、彼もまた、相仆れに、負傷てきずを抑えたまま、腰をついてしまった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私の負傷てきずは癒えなかったけれど、故郷くにを出てから六月目に、それでもマドリッドへ帰って来た。
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
薄暮くれがた負傷てきずなやまし、かげくらみぞのにほひに
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
城中の一室を、病間とし、先ごろから、満身の負傷てきずを治療していた勝入のむこの森武蔵守長可ながよし
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
血潮したたるぬま負傷てきずの光
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「オオ、武蔵守か。——せっておると聞いたが、負傷てきずは、どうじゃ」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その北条新蔵の負傷てきずも、もう繃帯ほうたいっていい程に恢復していた。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どこにも、お負傷てきずは」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)