“どもり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
41.7%
度盛29.2%
吃者12.5%
8.3%
吃漢4.2%
吃音4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
古釘のように曲った老人の首や、かいこのようにせぐくまっているどもり男の背中や、まどろんでいるおんなの胸倉や、蒼白い先達ソンダリの吊上った肩を、切傷のような月が薄淡く照らした。
土城廊 (新字新仮名) / 金史良(著)
どういうつもりか、今までそれを荷厄介にやっかいにしているという事自身が、津田に対しての冷淡さを示す度盛どもりにならないのは明かであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まるで吃者どもりのようにしか物の言えなかった人が、可哀そうなほど日蔭者の自制と遠慮とに慣らされて来たような人が、どうかして早く自由に思うように話したいと言っていた人が
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
云わんとすることは種々いろいろたたまっているらしいが、山育ちの悲しさには彼の口が自由に廻らぬ。重太郎はおしどもりのように、なかばは身振や手真似で説明しながら、の切なき胸を訴えているのである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
多分あの吃漢どもりの話を真に受けて、アルプス倶楽部に花火をあげさせるつもりなんだろうけれども、君だって、担架プランキアルで運ばれて来たあの血綿のような塊を見ないわけじゃなかったろ。
彦太郎はその通りであると思い、久太郎は吃音どもりであった筈だがとひょっくり考えたり、滔々と淀みない雄弁ゆうべんをつづける久太郎の口元を不思議そうに見つめた。
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)