“吶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ども60.0%
どもり40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、まないたに向った処——ふなたいのつくりものに庖丁を構えたばかりで、うろこを、ふき、魚頭を、がりり、というだけを、どもる、あせる、狼狽うろたえる、胴忘れをしてとぼん、としている。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼は四十五、六歳の、いかにも質朴らしい男で、日に焼けている頬をいよいよあからめながら、この不慮の出来事に就いて自分はまったくなんにも知らないとどもりながらに釈明した。
深見夫人の死 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
宮奴みやっこが仰天した、馬顔の、せた、貧相な中年もので、かねてどもりであった。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
云わんとすることは種々いろいろたたまっているらしいが、山育ちの悲しさには彼の口が自由に廻らぬ。重太郎はおしどもりのように、なかばは身振や手真似で説明しながら、の切なき胸を訴えているのである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)