“くは”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クハ
語句割合
30.0%
14.1%
10.7%
9.7%
8.4%
6.8%
5.7%
2.3%
2.3%
1.6%
(他:32)8.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
番頭の周助も吾妻屋の家庭の事については容易に口を開きませんが、これは隣に住んでゐる新吉から後でくはしく聽きました。
「八、關口の子分衆と、下つ引を五六人集めて、あのお妾姉妹と、奉公人達の身許をすつかり洗つてくれ。くはしいほど宜い」
巻煙草まきたばこくはへた断髪のモデルも、——彼女は成程なるほど混血児あひのこじみた一種の美しさを具へてゐた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
野良犬は、秋刀魚の片側の肉を美味しさうに喰べ終へると、魚の頭のところをくはへて、どんどん海の方角へ馳け出しました。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
そして軽い気持で、昨日から運びこんだまゝになつてゐる植木を植ゑるために、くはとシャベルを裏の物置から引張りだして来た。
花が咲く (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
さうなると、もう悪魔の宝なんかはどうでもよく、元の人間の姿になつたのがうれしくて、くはや帽子も打捨てゝ帰りかけました。
悪魔の宝 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
くはふるに前檣々頭ぜんしやうしやうとう一點いつてん白燈はくとうと、左舷さげん紅燈こうとうえで
建築けんちく耐震的考慮たいしんてきかうりよくはふるやうになつただい一の動機どうきは都市の建設である。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
かう云つて男は敷島を一本たもとから出して口にくはへた。そして手を両方のたもとへ入れて燐寸マツチを捜して居る。
御門主 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
若し怒り惡意に加はらば、彼等我等を追來り、その慈悲なきこと口にくはへし兎にむかひてむごき犬にもまさりぬべし 一六—一八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
しかし劇の沿革も亦わたくしのつまびらかにせざる所であるから、若し誤があつたら、其道にくはしい人の教を乞ひたい。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
されど自然は常に乏しき光を與ふ、即ちそのはたらくさまあたかもわざくはしけれど手の震ふ技術家の如し 七六—七八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それについては吉次郎も一々くはしく語らなかつたが、この話はかれが二十四五の頃で、浅草のある鰻屋にゐた時の出来事である。
魚妖 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
潮田さんの秘書役をして居た松本英子と云ふ婦人記者が一々くはしく書きとめたものがある。今その二つ三つをこゝに載せる。
政治の破産者・田中正造 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
縁を下りて、顔をば洗はうと庭を通ると白い犬が昨夜くはへて行つた筈の竹片たけぎれは、萩の根元に転がつて居た。
煙管きせるなんかくはへて覗く奴があるか。そいつは煙硝えんせうだよ。——火が移つて見ろ、お前も俺達も木ツ端微塵みぢんだぞ」
写真版で見た時むかつて右手のつたの葉をくはへた女の形をいやだと思つたが実物に対しても同じ感を失はなかつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
すると或時、子鶉がうしろをむけて虫をつゝいてゐるのを見て、狐は突然飛びかゝつて、鶉の尾の方をくはへてしまひました。
孝行鶉の話 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
こめあはれないから、やむくはゑてかひこふんださうであるが
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
御米およねは六でふけたくは鏡臺きやうだいながめて、一寸ちよつとのこしいかほをしたが、
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
『孤兒院設立の資金を集るなんて云ふけれど、實際はアノ金村かねむらツて云ふ琵琶法師もくはせ者に違ひないんだがね。』
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『孤児院設立の資金を集めるなんて云ふけれど、実際はアノ金村ツて云ふ琵琶法師もくはせ者に違ひないんだがね。』
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
翌る八月十六日、晝少し前にはもう、八五郎が明神下の平次の家に飛込んで來ました。大きな事件に出つくはすと、全く疲れを知らぬ調法な男です。
「いや、放つて置いて貰ひ度い。斯う歩いてるうちに、家中の者に出つくはすことになるだらう、——その代り何處へでも、自由に行つて宜いといふことにして貰ひ度いな、番頭さん」
但し有待うたい依身いしんなれば、ざればかぜにしみ、くはざればいのちちがたし。
めしくはせろ!』と銀之助は忌々いま/\しさうに言つて、白布はくふけてある長方形の食卓の前にドツカとはつた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
くはしくへばどろぽツくり。
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いよいよ身動きの出来ない所に来て、鳥羽は「面目ない次第だがかう云ふ事になつた」とくはしく話してくれたのであるが、話の理否条路は女の幾には聞いたところでよく解るわけでもなく、たゞ胸のつまる思がした。
鳥羽家の子供 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
おどけて、くどくどとしやべつてゐる富岡の紫色の唇が、ゆき子には印象的だつた。富岡は煙草を出して、べとべとに煙草をくはへこんでは喋つてゐる。眼が濁り、髪が額にたれさがつてゐる。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
くはえたパイプの雁首がんくびをぽんとはたく。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
義男はさつきのみのるの冷笑がその胸の眞中まんなかを鋭い齒と齒の間にしつかりとくはへ込んでる樣に離れなかつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
肋骨の見えた痩せた飼犬が夕暮れのおぼろな影に石膏のやうな色を見せて、小枝をくはへながら驅け廻つて遊んでゐた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
八千矛の神のみことは、とほ/″\し高志こしの国にくはをありと聞かして、さかをありと聞こして……
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
だからくはの居る家へは、奴隷やつこの様にして這入りこんだ人もある。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
指をくはへてはならぬと、博士が教へてゐるので、㘅へはせぬのである。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
その時のつもりは、いつかここへ寫生に來たいとおもつてくはしく書きとめておいたものと見える。
砂がき (旧字旧仮名) / 竹久夢二(著)
「弱つた! 君がああして取緊とつちめてくれたのは可いが、この返報に那奴あいつどんな事を為るか知れん。明日あしたあたり突然どん差押さしおさへなどをくはせられたらたまらんな」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そんな事が営業の魂などとは……! たとへば間が災難につた。あれは先は二人で、しかも不意打をくはしたのでせう、貴方はあの所業を何とお考へなさる。男らしい遺趣返いしゆがへしの為方とお思ひなさるか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
なか/\に甲斐々々しい姿ですが、やにさがりのくは煙管ぎせる、これも女房をビクビクさせながらの剃刀かみそり使ひは、どう考へても器用な手つきではありません。
この事ありてより後は庄太郎、仮初の外出にもお糸への注意いつそう厳しく、留守の間の男の来りし事はなきや、お糸宛の郵便どこよりも来らざりしやと、店の者に聞き下女に聞き、なほそれにても飽き足らず、大人はお糸にくはされて、我に偽る恐れありと
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
「なにコツペエが亡くなつたつて。まあ、此方こつちへ通つて委細くはしく話して聞かせて下さい。」
もつとも丑松の目に触れたは、式の始まるといふ前、くはしく読む暇も無かつたから、其儘そのまゝ懐中ふところへ押込んで来たのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
平素ふだんは其程注意を引かないやうな物まで一々の印象が強くくはしく眼に映つて見えたり、あるときは又、物の輪郭かたちすら朦朧もうろうとして何もかも同じやうにぐら/\動いて見えたりする。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
花の土堤をその列が長く續いて行く途中で、目かづらを被つて泥濘ぬかるみの中を踊りながら歩いてゐる花見の群れに幾度かくはした。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
僕は今此港の光景を詳細くはしく説くことは出來ないが、其夜僕の眼に映つて今日尚ほあり/\と思ひ浮べることの出來る丈を言ふと、夏の夜の月明らかな晩であるから船の者は甲板に出で家の者は戸外そとに出で
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
くはを ありとこして、