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咬
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くは
ふりがな文庫
“
咬
(
くは
)” の例文
すると或時、子鶉が
後
(
うしろ
)
をむけて虫をつゝいてゐるのを見て、狐は突然飛びかゝつて、鶉の尾の方を
咬
(
くは
)
へてしまひました。
孝行鶉の話
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
『ハ? ハ。それア何でごあんす……』と言つて、安藤は
密
(
そつ
)
と秋野の顔色を覗つた。秋野は黙つて煙管を
咬
(
くは
)
へてゐる。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
入違
(
いれちが
)
つて
這入
(
はい
)
つて
来
(
き
)
たのは、
小倉
(
こくら
)
の
袴
(
はかま
)
を
胸高
(
むなだか
)
に
穿締
(
はきし
)
めまして、
黒木綿紋付
(
くろもめんもんつき
)
の
長手
(
ながて
)
の
羽織
(
はおり
)
を
着
(
ちやく
)
し、
垢膩染
(
あぶらじみ
)
たる
鳥打帽子
(
とりうちばうし
)
を
被
(
かぶ
)
り、
巻烟草
(
まきたばこ
)
を
咬
(
くは
)
へて
居
(
ゐ
)
ながら、書生
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
蛙の肉に附けて置いた紙の
片
(
きれ
)
で、それを
咬
(
くは
)
へて飛んで行く蜂の行方を眺めると、巣の
在所
(
ありか
)
が知れました。小鳥の種類の豐富なことも故郷の山林の特色です。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
なんです、
晃
(
あきら
)
さん、鉛筆なんか
咬
(
くは
)
へて……そんなにお
腹
(
なか
)
が
空
(
す
)
いたんですか? それではと……。今日はちよつと六ヶ敷いお話ですから、ぼんやりしてるとわかりませんよ。
ママ先生とその夫
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
▼ もっと見る
ボチセリイの「春」と云へば其れは
此処
(
ここ
)
の美術学校の絵画館で見る事が出来た。写真版で見た時
向
(
むか
)
つて右手の
蔦
(
つた
)
の葉を
咬
(
くは
)
へた女の形を
厭
(
いや
)
だと思つたが実物に対しても同じ感を失はなかつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
と、云ふと、狐はその一枚を
咬
(
くは
)
へ取る仕掛になつてゐた。
大凶の籤
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
薫れりし花の冠を
咬
(
くは
)
へてゐた。
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
是
光景
(
ありさま
)
に、姑も笑へば、お妻も笑つて、『まあ、
可笑
(
をか
)
しな児だよ、斯の児は。』と乳房を出して見せる。それを
咬
(
くは
)
へて、
泣吃逆
(
なきじやつくり
)
をし
乍
(
なが
)
ら、
密
(
そつ
)
と丑松の方を振向いて見て居る
児童
(
こども
)
の様子も愛らしかつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
咬
漢検1級
部首:⼝
9画
“咬”を含む語句
咬付
歯咬
咬緊
咬殺
咬鳴
齒咬
鼠咬症
飯咬
閑人免進悪狗咬人
生咬
獅子咬典膳
獅子咬
獅咬火鉢
獅咬
引咬
咬𠺕吧
咬閃
咬破
咬砕
咬楊子
...