くは)” の例文
我国にて塩引にしたるを大晦日おほつごもりせちには用ひざる家なし。又病人にもくはす。他国にて腫物できものにいむは、これになれざるゆゑにやあらん。
さぎなりといつはくはせ我を癩病らいびやうになし妻子親族にうとませたり故に餘儀なく我古郷を立去て原の白隱禪師はくいんぜんしの御弟子となり日毎に禪道ぜんだう教化けうげ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『孤児院設立の資金を集めるなんて云ふけれど、実際はアノ金村ツて云ふ琵琶法師もくはせ者に違ひないんだがね。』
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
けれどとほまはしにしたところによると、田之浦たのうらもの倅夫婦せがれふうふ百姓ひやくしやうをしてなりの生活くらしをしてるが、その夫婦ふうふのしうちがくはぬとつて十何年なんねんまへから一人ひとり此處こゝんでるらしい
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
齒のちびたるばかり五十三年になりぬ、われ一代は一足にて埒を明けんと思ひしに、惜しや片足は野良犬めにくはへられ、はしたになりて是非もなく、けふ煙になす事よと四五度も繰りごとを言ひて
金銭の話 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)
したたかにわれにくはせよ名にし負ふ熊野が浦はいま鰹時
熊野奈智山 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
つままどのもとに喰伏くひふせられあけにそみ、そのかたはらにはちゞみの糸などふみちらしたるさまなり。七ツの男の子はにはにありてかばねなかくはれたり。
集めて相談さうだんしける中長兵衞心付こゝろづき彼のくすりを猫にくはせてためしけるに何の事もなければ是には何か樣子やうすあるべし我又致方いたしかたあれ隨分ずゐぶん油斷ゆだんあるべからずとて又七を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『孤兒院設立の資金を集るなんて云ふけれど、實際はアノ金村かねむらツて云ふ琵琶法師もくはせ者に違ひないんだがね。』
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
○人病あればこめかゆくはせてくすりとす。重きは山伏をむかへていのらす。(病をいのらする事源氏にも見えたる古風也。)
取寄とりよせ是をくはんと爲るを長助は目配めくばせをなしとむていゆゑさてはと思ひ何かまぎらして是をくはず夫より又七は新道しんみちの湯に行けるに長助もあとより同くきたり彼の毒藥どくやくをお熊が入たる事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つままどのもとに喰伏くひふせられあけにそみ、そのかたはらにはちゞみの糸などふみちらしたるさまなり。七ツの男の子はにはにありてかばねなかくはれたり。