“咥:くは” の例文
“咥:くは”を含む作品の著者(上位)作品数
野村胡堂4
薄田泣菫2
佐藤春夫1
室生犀星1
林芙美子1
“咥:くは”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.2%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
縁を下りて、顔をば洗はうと庭を通ると白い犬が昨夜くはへて行つた筈の竹片たけぎれは、萩の根元に転がつて居た。
煙管きせるなんかくはへて覗く奴があるか。そいつは煙硝えんせうだよ。——火が移つて見ろ、お前も俺達も木ツ端微塵みぢんだぞ」
伊庭は毒舌どくぜつを吐きながら、煙草を出してくはへると、マッチを探す様子で、そこいらにある、ラジオや大きな枕に皮肉な笑ひを浮べた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
そればかりか、この猫は或る日、蛙をくはへて家のなかへ運び込んでからは、寒さで動作ののろくなつて居る蛙を、毎日毎日、幾つも幾つも咥へて来た。
八五郎の顏、——獲物をくはへた獵犬のやうな顏を見ると、平次はそつと物蔭に呼びました。
見ると、床に落ちて、粉々こな/\に砕けてゐる洋盃コツプそばを、大きな灰色の鼠が血だらけな英雄の心の臓をくはへて小走りに逃げのびようとしてゐる。
その折この詩人は穢い百姓家の入口に、老いた一人の印度人の婆さんが、だらしなく蹲踞しやがんで、薄穢い粘土製のパイプをくはへて、すぱすぱ煙草を喫してゐるのを見た。
茶話:12 初出未詳 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
村井氏は葉巻をくはへたまゝあとからのつそりいて往つた。
ガラツ八の八五郎は、指をくはへて引下がる外はありません。
ゆき子は一本唇にくはへて、伊庭にマッチをつけて貰つた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
小粒で二兩入つてゐたといふ與七の紙入は、往來か錢湯か、横町の師匠のところで紛失なくし、お今の足袋は犬でもくはへて行つたとすると、この家で無くなつた品で本當に發見されないのは、用箪笥の鍵と、お文の櫛と、たつた二つだけになります。
これは相當に恐ろしい關係がふかくつながつてゐると、男はこんどは聲をひろげて言ひ放つた、……でも、八幡も末野も、おしまひには八幡が捨てられる位置に立つのだらうが、ともかく、あんな小さいこむすめをくはへてゐるといふことは、生きるに重みを感じないものか。
末野女 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)