くは)” の例文
両様りやうやうともくはしく姿すがたしるさゞれども、一読いちどくさい、われらがには、東遊記とういうきうつしたるとおなさまえてゆかし。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
段々とはなして娘を賣て十八年以前なる傍輩はうばいの恩金を返さんと思ふよしくはしくはなしければ利兵衞も其の志ざしを深くかんさつそく承知なし即ち判人はんにんとなりて新藤の娘を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
鳥羽は「面目ない次第だがかう云ふ事になつた」とくはしく話してくれたのであるが、話の理否条路は女の幾には聞いたところでよく解るわけでもなく、たゞ胸のつまる思がした。
鳥羽家の子供 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
くはしくへばどろぽツくり。
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
發しられ越後高田浪人大橋文右衞門其方當時たうじ山崎町家主吉兵衞たな罷在まかりあり袖乞そでごひいたし居る由然程さほど零落れいらくの身分にて油屋五兵衞方へ入置いれおきたる質物受出しの節十三兩三分と申す金子にはか調達てうだつせし由右の金子は元より所持なるや又は外々より融通ゆうづう致したるや一夜の内に金子調達せしは其方業體げふてい似合にあは不審ふしんなりくはしく申立よと云るゝに文右衞門は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)