“夕冷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆふひ50.0%
ゆふびえ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
下人は、大きなくさめをして、それから、大儀さうに立上つた。夕冷ゆふひえのする京都は、もう火桶ひをけが欲しい程の寒さである。風は門のはしらと柱との間を、夕闇と共に遠慮なく、吹きぬける。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しみしみと夕冷ゆふひえまさるしら雪に岩うつり啼くは河原鶸かはらひわかも
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
先づ衣桁いこうに在りける褞袍どてらかつぎ、夕冷ゆふびえの火もこひしく引寄せてたばこふかしゐれば、天地しづか石走いはばしる水の響、こずゑを渡る風の声、颯々淙々さつさつそうそうと鳴りて、幽なること太古の如し。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
向つ山夕冷ゆふびえ早しくろぐろと此ののなだり焼け果てにけり
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)