夕冷ゆふびえ)” の例文
先づ衣桁いこうに在りける褞袍どてらかつぎ、夕冷ゆふびえの火もこひしく引寄せてたばこふかしゐれば、天地しづか石走いはばしる水の響、こずゑを渡る風の声、颯々淙々さつさつそうそうと鳴りて、幽なること太古の如し。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
向つ山夕冷ゆふびえ早しくろぐろと此ののなだり焼け果てにけり
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)