夕冷ゆふひ)” の例文
下人は、大きなくさめをして、それから、大儀さうに立上つた。夕冷ゆふひえのする京都は、もう火桶ひをけが欲しい程の寒さである。風は門のはしらと柱との間を、夕闇と共に遠慮なく、吹きぬける。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しみしみと夕冷ゆふひえまさるしら雪に岩うつり啼くは河原鶸かはらひわかも
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)